3・18、山本太郎議員の質問への金子委員長の不公平な差配。信号無視話法分析で明らかに

安倍総理が10回も発言した「沖縄に寄り添う」

 安倍総理大臣に向けて山本議員が行った質問は以下の通り。 山本議員: 「今国会の中で総理、私の事務所で調べただけで10回ですね、10回「沖縄に寄り添う」という言葉を発言されています。総理、これまで10回ご発言された通り、沖縄に寄り添うという気持ちは本物であるとそれを確認させて頂けますか?」  これに対する回答を視覚化した結果がこちらだ。 安倍「沖縄に寄り添う」発言安倍総理:沖縄に、えー、米軍基地が、えー、集中をしているという、この、おー、現在の、この現状をですね、(黄信号)  我々は到底是認できるものではないわけでございまして、沖縄の、おー、米軍基地の縮小のためにこの6年間、我々も全力を尽くしてきたところで、えー、ございます。今後ともその姿勢には変わりがないということを申し上げておきたいと思います青信号)」  信号無視話法では「質問に答えたか」という観点で分析するため、基地縮小のための努力や今後の決意などを述べた部分は青信号と判定した。  ただ、ここで述べている内容が実態を伴っているかは別問題である。

安倍「寄り添う」答弁の矛盾

 ここから山本議員は「寄り添う」という言葉の定義を切り口に、約3分間にわたって安倍総理の矛盾点を指摘していく。(動画の5分20秒~) 山本議員: 「ありがとうございます。『寄り添う』。この『寄り添う』という言葉を調べてみると、『ぴったりと側へ寄る』とあります。自分の感情を相手の気持ちと同化させるよう、同化させるようにするようなこと。いかにも、いかに相手の気持ちを汲み取れるか。それに自分の心を寄せていく様が寄り添うということのようです。沖縄県民投票の結果、辺野古に基地はいらないと圧倒的な民意がはっきりした翌日、埋め立ての土砂を積んだトラックなど約300台が資材搬入ゲートを通過。琉球新報では名護市阿波にある桟橋で工事車両583台が運搬船3隻に土砂を積み込んだと。沖縄県民、えー、沖縄県民投票では72%が反対。超圧倒的明確な結果を完全に無視した、聞いたことがない寄り添い方です。えー、これ本当にどうやって寄り添っていくのかということですね。この後、総理にも聞いていきたいと思うんですけれども。  先日ですね、防衛省の方が軟弱地盤に関わる地質データを含む約1万ページにも及ぶ報告書などが防衛省から出されたんですね。これやっと出したかって話なんですよ。なんか聞くところによると、防衛大臣がずいぶんと出されることに抵抗をしていたというお話を聞いています。予算委員会が終盤に入ったこのタイミングで、1万ページもの資料提供。出さないよりかいいですけど、このタイミングですかって。もう終わりますよ、予算委員会。防衛省が提出を粘り続けたのは本委員会での議論を避けたい意図があるとしか考えられない。この短い間に、もう3月、3月いっぱいでこの委員会終わっちゃうのに1万ページ。これ詳細に検討するってむちゃくちゃ大変な話ですよ。  こういうこと今までもありましたよね。森友学園の関係資料。ギリギリになって出してきた。大量に。他にもありましたよ。去年の、えー、入管法。その時に実習生の個人情報、マスクをして黒塗りをして出し、いつもみたいに、黒塗りをして出してくれればいいのに、それもせずに手書きで写せと。野党は普段仕事をしなきゃいけない時間を削りながら一枚一枚写経をするようなことをずっと続けてたわけですよ。あまりにもありえないと言いますか。これ国会の審議をまともにやろうという考えからかけ離れている。もっと正々堂々とやりましょうよって話なんですね。  この軟弱地盤に関わる地質データを含むこの報告書1万ページを超えるようなものを今、全国の心ある土木技師や関係者の方々が詳細に読み解いていってくれてます。これ委員長に求めたいんですけれども、予算が成立した後も、この沖縄問題、軟弱地盤の問題もあります。これひょっとして、えー、変更、設置変更の内容というものを、えー、軟弱地盤というものを隠しながら出してたというような疑いも持たれているわけです。なので、予算委員会が終わったとしても、その後沖縄問題として集中の審議をして頂く事をご検討ください」  わずか8分の質疑の中で安倍政権の多くの問題点を浮き彫りにして見せた山本太郎議員。  質疑はここで昼休みに入る。午後から再開された質疑では、安倍総理の祖父・岸信介元総理が日米地位協定締結時に米軍と結んだ基地権密約にまで言及。この午後の質疑の視覚化は後編の記事でお伝えしたい。 <文・図版・動画作成/犬飼淳 TwitterID/@jun21101016> いぬかいじゅん●サラリーマンとして勤務する傍ら、自身のnoteで政治に関するさまざまな論考を発表。党首討論での安倍首相の答弁を色付きでわかりやすく分析した「信号無視話法」などがSNSで話題に。最近は「赤黄青で国会ウォッチ」と題して、Youtube動画で国会答弁の視覚化に取り組む。  犬飼淳氏の(note)では数多くの答弁を「信号無視話法」などを駆使して視覚化している。また、同様にYouTubeチャンネル(日本語版英語版)でも国会答弁の視覚化を行い、全世界に向けて発信している
TwitterID/@jun21101016 いぬかいじゅん●サラリーマンとして勤務する傍ら、自身のnoteで政治に関するさまざまな論考を発表。党首討論での安倍首相の答弁を色付きでわかりやすく分析した「信号無視話法」などがSNSで話題に。noteのサークルでは読者からのフィードバックや分析のリクエストを受け付け、読者との交流を図っている。また、日英仏3ヶ国語のYouTubeチャンネル(日本語版/ 英語版/ 仏語版)で国会答弁の視覚化を全世界に発信している。
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