自衛隊の法的地位を直視しない「自衛隊明記改憲論」は欺瞞である

自衛隊に現場で対応させるのには、もう限界がある

南スーダン戦闘

南スーダンの首都ジュバで起きた大規模戦闘。このとき、自衛隊は幸い巻き込まれずに済んだが……

 岩本教授は「PKO活動に自衛隊を派遣するなら、相応の法整備、制度作りが必要」と語る。 「例えば海難審判所のように、最高裁のもとに自衛隊の事件・事故を扱う専門機関を設けることも可能でしょうし、軍法のような、自衛隊の活動に対応した刑法の整備が必要でしょう。PKO派遣を推進する政府与党も、護憲派の野党も無責任です。改憲も含めたPKO派遣のための法整備・制度設計をするか、あるいは批判も覚悟で一切海外派遣しないか。そうした論議もなく、派遣される自衛隊に現場で対応させるには、もう限界でしょう」 取材・文/志葉 玲 写真/産経新聞社 時事通信社 ― 大至急、[日米地位協定]を改定せよ! ―
戦争と平和、環境、人権etcをテーマに活動するフリージャーナリスト。著書に『13歳からの環境問題』(かもがわ出版)、共著に『原発依存国家』(扶桑社)、 監修書に『自衛隊イラク日報』(柏書房)など。
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