爆騰株を的中させた「目の付け所」って何だ?

2014年の爆上げ銘柄といえばミクシィの印象が強かったが、お宝のタネはまだまだあった! 凄腕投資家の「仕込みの技術」とは?

大化けポテンシャルを秘めた[上場ゴール株]を、4~5銘柄厳選して分散投資せよ

キクチ氏

キクチ氏

【キクチ氏】 サラリーマン投資家。大学生だった’02年に70万円で投資デビュー。’09年、上場廃止が決定したOHT株に700万円を投じて6000万円に増やした武勇伝を持つ。保有銘柄は少数精鋭主義 投資歴:’02年から12年間 手法:中長期投資 主な監視銘柄:山王ほか  厳選した銘柄を4~5つ保有するという少数精鋭主義を貫く、サラリーマン投資家のキクチ氏。今年は週刊SPA!(2月25日号)とマネー誌YenSPA!夏号にご登場いただいたが、前者でオススメしてもらった「山王」と「アイティメディア」はその後、掲載時から1.5~2倍に。後者で一押しだった「ディジタルメディアプロフェッショナル(以下DMP)」は、なんと15倍にまで急騰した。 【グラフ】はコチラ⇒http://hbol.jp/?attachment_id=18834
アイティメディア

春先、「平成28年度の決算で営業利益6億円を超えるのが新株予約権行使の条件」という強気の発表を行った同社に勝機を見ていたキクチ氏だが、想定外のアリババ祭りで数字を伴わぬまま急騰

 銘柄選びのポイントは極めてシンプルで「上場直後に高値をつけて、その後は長期低迷中」であること。チャートの形を揶揄して「上場ゴール株」とも呼ばれる銘柄が、何かのキッカケで過去の栄光を取り戻したかのように高騰するタイミングを待つのだ。 「昨年、大きかったのはアイティメディアですね。ソフトバンク系列のITニュースサイト大手で、同グループが株式の6割を保有している点に注目していました。少数特定持株比率が高く、市場に出回っている株が少ない銘柄は、一度火がついたときの値動きも大きい。一昨年から厚めに買い続け、平均単価360円で11万株ほど取得していました」  これが、今年の9月頭には1100円超え。中国のアリババ上場に伴って関連会社であるソフトバンクとその系列銘柄に人気が集中したためだ。800円あたりで思い切りよく全株売却し、約4000万円のプラスに。 「正直、アリババ特需というシナリオは考えてなかったんです。想定外のシナリオで値上がりしたときは売るに限る――がモットー。一方で、DMPについては悔いが残ってますね。600円前後で推移していたのが、画期的なIPコアを開発したというニュースが注目された途端、ストップ高が何度も続いて1600円あたりで落ち着いた。この時点で売ってしまったのが、その後9000円に……(苦笑)」  アイティメディアを売却した9000万円で、より割安な小田原機器と大崎エンジニアリングを新たなポートフォリオに加え、すでに保有していた山王と共同ピーアールを買い増し。山王株については、純資産が豊富なこともあり、継続保有してさらなる値上がりを待つことに。このように、少数精鋭メンバーを適宜入れ替えていくのがキクチ氏のメソッドだ。2015年もこの手法に変わりはないと言う。 「日経平均が2万円行くかと言われると、そんなことはないでしょう。1万7000~8000円あたりで平行線が続く中で、これまで買われていない銘柄が物色されるはず」  続けて、PBRが1倍を大きく下回るような割安株は減るだろう……とも。 「そんな中、注目すべきは『赤字が続いているが、純資産は十分にある』銘柄。さらに『配当や優待がない』という点も重要。配当や優待が出ると、赤字が続いていても株価は維持されるので大底まで下がらない。逆に、黒字に転換したときも、配当や優待目的で買っている人が多いため、高止まりしている株価に対して黒字転換のインパクトは薄く、株価が動きにくいんです」 【2015年必勝戦略】 赤字銘柄に注目し、黒字に切り替わるタイミングを捉えよ!

スクリーニング法

・チャートの形が「上場ゴール」 ・純資産倍率が低い ・時価総額が50億円以下 ・ここ何年か赤字が続いている ・配当・優待を出していない

今のうちに仕込んでおきたい厳選4銘柄

【共同ピーアール(JQ:2436)】 株価:805円 売買単位:100株 時価総額:811百万円 PBR:0.74倍 企業PRの支援、コンサルティングが主力。前社長の不祥事や受注損失引当金の形状で業績を落としたが、来期は再浮上の段階に。オリンピック開催による受託増加に期待 共同ピーアール【大崎エンジニアリング(JQ:6259)】 株価:423円 売買単位:100株 時価総額:2186百万円 PBR:0.37倍 カメラ用撮像素子モジュール・高機能デバイスの引き合いが回復傾向に。メインの中小型フラットパネルは、4K・8K対応や、医療用の高精細ディスプレイなどに幅広く採用されている 大崎エンジニアリング【小田原機器(JQ:7314)】 株価:1094円 売買単位:100株 時価総額:1684百万円 PBR:0.36倍 路線バス向けの運賃箱やICカード機器、精算システムで市場シェア5割。消費増税の特需(一物二価:現金180円・ICカード175円の表示)で業績好調。受注高、受注残高も高水準 小田原機器【山王(JQ:3441)】 株価:401円 売買単位:100株 時価総額:2005百万円 PBR:0.28倍 貴金属表面処理加工のリーディングカンパニー。スマホ向けの部品が好調。厳しかった中国での事業環境にも改善がみられ、これが黒字転換すれば一気にV字回復か 山王

Q.トレードに影響を与えた本は?

『日経会社情報』「過去の業績予想とその後の決算短信の比較は不可欠。’00年以降の資料は捨てずに保管」

Q.毎日トレードに費やす時間は?

約2時間「朝は8時~9時、昼は12時~12時45分。市場が開く前に戦略を決めて発注」

Q.2015年の注目イベントは?

特にない……が、埋もれていた会社が陽の目を浴びるタイミングを捉えたい。 ― 株&FX 爆勝トレーダーの必勝投資術【1】 ―
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