東京入管、救急搬送必要な収容者を迎えに来た救急車を追い返す異常事態

改正入管法施行の目前の人権無視

 一度でも法を犯したものには、たとえ死にそうになっても診察してもらえないほどに人権が守られないニッポンという国。  こんな状態で2020年には東京オリンピックを開催しようとしていて、外国人観光客を増やし、さらには外国人労働者も増やそうしているのです。  入管法を改正しようと言った時にも、入国管理局に収容されている外国人の人権が守られていない問題は国会でも議論されましたが、安倍政権はまったく無視。外国人労働者を奴隷のように働かせる改正案を強行採決しました。  しかし、その奴隷となる外国人が逃げ出して不法入国状態に陥り、入国管理局に収容されたら、今回のように体調を崩し、命の危険が迫っても対処してもらえないのです。いつから日本はこんなに酷い国になってしまったのでしょうか。  しかも、こうした問題が騒動になるほど、「法律を犯さなければいいじゃないか」と言い出すネトウヨが現れ、まさに今、体調不良を訴えて死にそうになっている外国人に対して非人道的な冷たい言葉を投げかける始末です。  入国管理局の前で訴えている人たちは、なにも病気になった外国人を釈放してシャバの空気を吸わせてやれと言っているわけではありません。救急車を呼ぶべきレベルの外国人が医者の診察を受ける権利ぐらい与えろと言っているのです。病気になったら病気を治療するぐらいの人権は守るべきだという、ごくごく基本的な最低条件の話をしています。  平気な顔をして人を殺すようになったら世の中はおしまいです。「おもてなし」なんて言葉を二度と使ってくれるなという話になります。どんな罪人だろうと病気になって死にかけた時に診察を受ける権利ぐらいはあるはずです。それとも外国人は死刑も同然なのでしょうか。

野党議員も動き始めている

 この問題には、ネトウヨが大嫌いな国会議員の有田芳生さんが対応しています。 ”入管の説明では薬が届くのは明日の夕方(遅すぎる)、それまでに発作が起きれば外部病院に移すといいます。夕方の説明では診察を行い、薬を外部医院から求め、本人は自室ベッドにいて各方面に電話をかけているということでした。さらに情報を集めて対応します。”(有田芳生議員のツイート)  また、日本共産党の小池晃議員も対応しています。 ”現在の東京入管の対応について、法務省入国管理局警備課に問い合わせ、必要な治療を受けさせることを要求しました。法務省側は医師が適切に対応しているといいますが、家族に経過をきちんと説明するよう要求しました。ひきつづき報告するように求めています。 ”(小池晃議員のツイート)  本当なら与党である自民党の議員こそ問題視して、この問題に熱心に取り組むべきですが、今の自民党に期待できないのがとても残念です。騒動になったことで、いろんな人が動き出していますが、午前2時の段階で収容者はまだ入管の中におり、病院にいけてません。  一刻も早く医師の診察を受け、とにかくチョラク・メメットさんが無事であることを祈るばかりですが、万が一のことが起こったら、日本の信用が世界的に失墜することは避けられないことでしょう。日本が極東アジアの野蛮な国として、ヤバい国々の仲間入りを果たすことになります。  現地から最新情報を伝えてくれている人たちがいるので、随時、情報を更新してまいりたいと思います。こうしている間にピエール瀧さんが麻薬取締法違反で逮捕されたという速報も届いているのですが、それより今は人命最優先です。人の命を蔑ろにする国が先進国であるはずがないので、人権というものをまるで考えていないとしか思えない入国管理局の職員たちが人を殺してしまう前に、どうにか解決されることを願いたいと思います。
パトカー

入管の外には何台もの警察車両が

<文/選挙ウォッチャーちだい 撮影/HBO取材班>
選挙ウォッチャーとして日本中の選挙を追いかけ、取材しています。選挙ごとに「どんな選挙だったのか」を振り返るとともに、そこで得た選挙戦略のノウハウなどを「チダイズム」にて公開中
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