米政府機関、移民キャラバン取材のジャーナリストらを監視、データベース化していたことが発覚

NBC7より

NBCのカリフォルニア・サンディエゴ支局NBC7より

「キャラバン」取材のジャーナリストを米政府が監視

 昨年10月から始まったホンジュラスから米国に向けての集団移民「キャラバン」を取材する為のジャーナリストとカメラマン、そして激励して世話役を買って支援役としてその集団に混じっていた活動家や弁護士ら50余人が米国国土安全保障省の税関・国境取締局(CBP)から監視されていたことが米国NBCのカリフォルニア・サンディエゴ支局NBC7から独占で3月6日に公にされた。(参照:「NBC7」)  監視するだけに終わらず、彼らについて作成されたデーターベースを密かに移民警察(ICE)、国境パトロール隊、FBI、更にメキシコの関係当局にも警戒するに値する人物だとして共有していたというのである。  その中でジャーナリストは10人で、7人が米国人、2人がスペイン人、1人がメキシコ人という内訳であることも判明している。(参照:「El Pais」、「Univision」)  彼らの情報をデーターベースで作成した背景には、トランプ大統領が”移民は誰かによって扇動されたもので、それにジャーナリスト、弁護士、活動家らが加担している”という偏見的な見方を持っていることがあるようだ。

パスポートに刻まれた「☓」印

 この影響から、例えば、2人の弁護士と2人の取材カメラマンはその後メキシコに入国できなかったという。  キャラバンに同行して、移民者に米国への入国手続きなどを助言していたこの2人の弁護士ノラ・フィリップスとエリカ・ピネイロの場合、フィリップスはロサンジェルス・タイムズ紙に先月、次の様な経験談を語った。  1月31日にメキシコのグアダラハラ空港で、彼女は夫と子供から離されて9時間拘束された挙句に入国できずロサンゼルスに戻らねばならなくなったそうだ。同空港の入国管理局員の説明によると、彼女のパスポートには警戒を要するという「X」の印が付けられていたそうだ。しかし、それがメキシコ当局の仕業によるものではないと同局員が言明したという。(参照:「El Sol LATINO」、「Univision」)  ピネイロも1月28日に10か月の子供を引き取ろうとした際にサン・イシドゥロの入国管理局から入国を拒否されたそうだ。
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これまでの経歴や所有車もデータベースに記録
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