忍び寄る世界恐慌の足音。注視しておくべきポイントとは?
2019.03.05
<世界経済を読み解くKey Word>
1 世界の合計債務247兆ドル
1ドル109円計算で2京7000兆円と天文学な数字に。IIF(世界金融協会)のデータによると、世界の借金は’00年の80兆ドル(9000兆円)から約3倍、リーマンショック前から70兆ドルも上積み。「アメリカではジャンク債も増加。今年はデフォルト率も上昇するのでは」(中原氏)
2 米国の「中古住宅販売件数」
米不動産業者協会(NAR)が毎月25日に発表する、アメリカの一戸建て中古住宅の動向を示す指標。アメリカでは中古住宅販売の規模が新築と比べ大きく成熟しているため、景気変動に対する先行性が高いと言われている。サブプライムローン問題以降、注目度が上がっている指標だ
3 逆イールドカーブ
短期国債の利回りが長期国債の利回りを超える現象。投資家がたとえ利回りが低くても、長期で資金が拘束される投資を選ぶことは、短期の経済見通しが暗いことを意味する。1955年から今までに起きた9つの景気後退を6か月から2年前に予測している
4 LEIとCEI
米国の民間調査機関コンファレンス・ボードが作成する混合指数。LEIは米国の景気予想に、CEIは景気後退の開始と終了時期を確認するのに用いられる。「LEIは米国の経済成長速度の減速を示唆しているが、まだ明確に下向きではない」(エミン氏)
【中原圭介氏】
経済アナリスト。’70年、茨城県生まれ。アセットベストパートナーズの経営アドバイザー・経済アナリストとして活動。著書・連載多数
【エミン・ユルマズ氏】
エコノミスト。トルコ出身。’97年に日本留学、東京大学大学院にて生命工学修士を取得。野村證券を経て’16年、複眼経済塾取締役・塾頭に就任
取材・文/高城 泰(ミドルマン) アケミン 岩本 学 仲田舞衣 嘉村 翔 櫻井一樹
図版/ミューズグラフィック ブリッツアーティストエージェンシー
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