今季で廃部のアイスホッケー日本製紙クレインズ、プレーオフで快進撃。クラブチーム化で存続を模索

クラブチーム化で存続の道を探るクレインズ

釧路クレインズプロジェクト

「釧路クレインズプロジェクト」(事務局・日本製紙釧路工場)のスポンサー企業。今季は過去最多の63企業・団体が賛同している

 実は水面下では脱皮が着々と進んでいた。それが、官民一体でクレインズを応援する「釧路クレインズプロジェクト」(事務局・日本製紙釧路工場)だ。地元の企業・団体から募った協賛金はチーム運営の一助となった。今季は過去最多の63企業・団体が賛同、約270万円が集まり、地域が支える「クラブチーム」の受け皿に数年で移行するのではないかと見られていた。  しかし経済の現実は厳しく、日本製紙は突然の廃部表明となった。ファンはチーム存続のための署名活動を呼び掛けていて、すでに署名は3万人を超えている。ゆくゆくはクラウドファンディングによる「市民クラブチーム」化も念頭にいれた活動をしている。 「釧路クレインズプロジェクト」(事務局・日本製紙釧路工場)の枠組みは現在も有効で、事務局を釧路市もしくは釧路商工会議所に置くことで、クラブチーム化は一気に加速する。  ただし現在は日本製紙も、チームが存続できるよう選手らの引き受け先を探している段階だ。廃部が3月末に迫るなか、札幌市の1社が立候補を申し出たという。ただ、現在は日本製紙から話を持ちかけるなど道内外から広く募っている状況で、具体的な交渉には入っていないという。  また、2月23日の『北海道新聞』による取材に対して、日本製紙釧路工場長は「複数のスポンサーによるクラブチーム方式での存続も視野に入れていく」と述べている(2月24日付『北海道新聞』)。  今後の現実的な選択肢として考えられるのは以下の3通りだ。 1:札幌市の支援企業を中心にクラブチームの「札幌クレインズ」に移行する。 2:「札幌クレインズ」だが、札幌市と釧路市のダブルフランチャイズ制とする。 3:「釧路クレインズプロジェクト」を中心に、釧路で「市民クラブチーム」化する。
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道東の中心都市・釧路市にとっては重要な分岐点
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