中国大連勾留所の厳しい現実。緩くなった法解釈が30年前に回帰なのか

日中はジャンキーと大部屋で一緒に

大連市公安局禁毒支隊

入り口には大連市公安局禁毒支隊とだけ掲げられている

 勾留されるとまず、携帯電話や財布などが没収される。その後、勾留者番号が与えられ、前後に番号が印字されたバスケットボールのユニフォームのような作業服を洋服の上から着ることになる。  就寝するのは2段ベッドが並ぶ4人から8人ほどの外国人部屋で、混み合っていなければ、国籍はバラバラで組み合わされるようだ。  日中は、勾留者全員が収容できる大部屋で過ごし、『CCTV』(中国中央テレビ)が流れている。この空間では、ジャンキーたちと一緒になる。  電話は、1回3分間、監視の下できる。このときに問題となるのが、相手の電話番号で、携帯電話は最初に取り上げられているので、電話番号を暗記していない限りかけることができない。  現代人は携帯電話の電話帳にすっかりと依存しているので自宅くらいしか電話番号を暗記していない人が大半だろうから電話がかけられないのだ。  中国にも日本の104のような電話番号検索サービスがあるが、中国語が不自由な人には3分間で要件を済ますことはほぼ不可能に近く孤独に追い込まれてしまう。  2016年、勾留された知人の面会で大連市勾留所を訪れたところ、まだ日本領事館関係者が接見していないことを理由に面会を拒絶された。面会は週1回しか認められていない。この日を逃すと来週になってしまう。  すぐに領事館へ連絡していつ接見するのか確認したところ、瀋陽から向かうので時間がかかる。詳細な日程は教えられないを繰り返すばかりで、本当に在留邦人を守ろうとしているのか、非協力に思えた態度が残念でならなかった。  領事館の接見が済んだ翌週、面会へ行くと、同じく面会希望の中国人たちが大勢待機していた。面会時間になると面会希望者が多い日は専用の部屋へ移動するが、少なければ、勾留所入り口の部屋を施錠し行われる。
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30年前の厳しさに回帰か?
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