タイで大麻の医療用使用が解禁。市井の愛好家たちの反応は?

 また、バンコクにいる大麻愛好家のタイ人にも話を聞いてみた。医療用大麻の解禁で彼らはなにを思うのか。 「解禁になったら警察を気にせず楽しめるようになるのはうれしいけど、タイがそうなる日はまだずっと先じゃないかな」
バンコクの愛好者は冷静

大麻好きたちも今はまだ嗜好大麻の解禁はないと見ている

 ほかにも数人に同じ質問をぶつけたが、意外と冷静に見ている人が多い。さらに言えば、40代以上の麻薬中毒者などにしてみると、そもそも大麻に金を払うことがわからないという人もいる。 「大麻なんて田舎に行けばどこにでも生えているじゃない? 無料の植物になんでお金を払うのよ」  今でこそだいぶ少なくなったようだが、大麻が自生する場所は地方に行けばたくさんあり、地元の愛好家はみんな知っているのだという。  タイでは大麻の優良品は1グラムあたり1000バーツ(約3500円)するということで、中年以上のタイ人愛好家には理解できない値段なのだとか。  医療用大麻の解禁で愛好家たちは歓喜に沸いているのかと思えば、案外みな冷静に見ているようである。タイでは2003年にタクシン元首相の指示による麻薬掃討作戦が行われ、多数の密売人が逮捕、あるいは射殺された。その怖さもあって、ちゃんと合法化されることが発表されるまで、愛好家たちは沈黙を貫くつもりのようだ。 <取材・文・撮影/高田胤臣(Twitter ID:@NatureNENEAM)> たかだたねおみ●タイ在住のライター。近著『バンコクアソビ』(イースト・プレス)
(Twitter ID:@NatureNENEAM) たかだたねおみ●タイ在住のライター。最新刊に『亜細亜熱帯怪談』(高田胤臣著・丸山ゴンザレス監修・晶文社)がある。他に『バンコクアソビ』(イースト・プレス)など
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