東京・神保町の「ギャラリーコルソ」で開かれているユニークな展覧会
東京・神保町の「ギャラリーコルソ」で11日、SNSで作品の画像を削除されたりアカウントを凍結・削除されたりした写真家やイラストレーター10人による「私たちは消された展 -凍結削除警告センシティブな内容を含みます-」がスタートした。連休中とあって会場は来場者で賑わい、作品を前に作家たちがSNSで削除された経緯などについて説明した。入場無料。最終日17日には午後3時から、作家全員が揃ってトークイベントを行う。
会場に並ぶ女性の全裸やセミヌード、緊縛の写真やイラスト。その脇に掲示されている作家たちのプロフィールには、SNSでの華麗な戦歴が記されている。
「
インスタ垢バン3回投稿削除3回」(天野功氏)
「
警告1/凍結1/削除4」(MASADA-SUMMER氏)
「
facebook警告多数。Facebook凍結2回」(木野正好氏)
といった調子だ。「垢」とはSNSなどのアカウントのこと。「バン」は、「追放」などを意味するネットスラング「BAN(=banish)」のこと。「インスタ」はインスタグラムだ。
「この展示会を企画したきっかけは、インスタグラムで自分の作品が削除されたことでした」
そう語るのは、「扇情カメラマン」を名乗る酒井よし彦氏(インスタ垢バン2回 投稿削除3回 Facebook凍結2回)。ヌード写真を中心にエロティシズムを表現する写真家だ。
「やだね~という話をしていたら、(今回の出展者の一人である)howdy goto氏もFacdebookで写真を削除されたという。じゃあ削除された写真で展示会をやろう、みんな集まれ、という話になりました。今回は日頃作家として活動している人に限定して、BAN経験者に削除された作品2点を必ず含めるという形で出展してもらいました」(同)
howdy goto氏(Facebookで削除2回ほか)に作品を削除された経緯を聞くと。
「この服を着た女性の写真が削除されました。問題になったのは被写体の女性ではなく、写真に写り込んでいるアメリカのプレイボーイ誌のピンナップのようです。ここに、女性の乳首も写っている。これが、Facebookにアップして1分で削除されてしまいました。SNS側が自動的に検知して削除したように思えます」
howdy goto氏とBANされた作品
howdy goto氏の作品は、トイレ内に様々な装飾を施し、そこで女性を撮影したものだ。装飾品の中におっぱいを模したオブジェが複数並ぶが、「これだけだと、Facebookは違反として検知しない」(howdy goto氏)という。ところが、写真の隅にピンぼけで実物の乳首が写っている写真のほうは、しっかり検知されて削除された。
Facebookの乳首検知能力の高さに驚かされる。