前述のとおり、日本国内においてもクラフトジンは活況を見せている。ジャパニーズ・クラフトジンは、ジンとして必須のジュニパーベリーが入っているほか、大小さまざまな酒メーカー、日本各地の地酒蔵元や泡盛、焼酎、梅酒の蔵元が、それぞれの酒をベースに特産果物を加えるなど、地方の特色が濃いのが魅力だ。
茶葉や山椒、ヒノキ、ゆず……。日本の食を彩るさまざまな植物由来のスパイスや果皮などがボタニカルとして利用されているため、洋酒のハードリカー好きはもちろん、焼酎好き、日本酒好き、泡盛好き、はては養命酒好きにとっても、お気に入りの一本を見つける楽しみがある。
こうしたボタニカルが使われていることで、日本食にも合う食中酒として味わうファンも増えているという。今は静かなブームだが、今後クラフトジンブームが普及していけば、地方復興の切り札としても期待できるかもしれない。
<取材・文・撮影/林 泰人>
ライター・編集者。日本人の父、ポーランド人の母を持つ。日本語、英語、ポーランド語のトライリンガルで西武ライオンズファン