改めて、「信号無視話法」分析の配色ルールを説明しておこう。
まず、各記者の質問内容を以下の配色ルールに沿って色分けすることとする。
青信号:質問内容
黄信号:質問の前置き、質問に関係する経緯を説明
赤信号:質問と無関係、事実誤認
灰色(図版中のみ。本文中は通常のテキストと同色):不要な言葉、言い間違い、似た言葉の繰り返し(読み飛ばしたほうが理解しやすい箇所)
となっている。
望月記者に対しては、「
質問に事実誤認がある」「
自分の意見を延々と述べ続ける」「
質問がまとまっておらず、意味がわからない」といった
根拠のない批判がされることがある。その批判が正しければ、望月記者は他の記者と比べて、黄信号や赤信号や灰色の割合が高く出るはずだ。
しかも、この日の記者会見は辺野古土砂投入の開始日ということもあって、記者全員の全ての質問が辺野古に集中しており、比較しやすいはずだ。
※灰色は本文中では通常色
そして、この日に質問した3名(共同通信 小笠原記者、朝日新聞 岡村記者、東京新聞 望月記者)の質問内容を色分けした結果がこちらだ。まず一目見て、色の割合は3者で大きく変わらないということが直感的におわかり頂けるだろう。
まずは1人目の共同通信 小笠原記者。
「(
黄信号)
共同通信の小笠原です。あのー、
米軍普天間飛行場の辺野古移設について伺います。あのー、
政府側は今日、辺野古沿岸部に、ど、土砂を、あのー、投入す・・、
土砂投入を開始すると沖縄県に伝えましたけれども、
(
青信号)
現段階で実際に投入は始めてるんでしょうか?もしくは、午前中にも投入する見通しでしょうか?
(
黄信号)
関連で伺います。共同通信の小笠原です。あのー、
昨日、長官と会談した 沖縄県の玉城デニー知事は土砂投入に重ねて反対する意向を示していたわけですけども、
あのー、(
青信号)
そういった状況下でこのタイミングでの土砂投入を判断した理由について伺います」
土砂投入のタイミング、土砂投入を判断した理由について、質問に関係する経緯を説明した上で質問に入っている。
次に2人目の朝日新聞 岡村記者。
「(
黄信号)
関連して、朝日新聞の岡村です。あの、
玉城知事は9月の知事選で示された民意は、あの、
辺野古移設に反対だとして、あのー、
依然として反対を訴えておりますが、
あの、(
青信号)
長官としては、その、
9月の知事選の民意、辺野古反対移設の民意をどのように お考えなのでしょうか?」
9月の沖縄知事選で示された移設反対の民意について、質問に関係する経緯を説明した上で質問に入っている。
最後に3人目の東京新聞 望月記者。
「(
黄信号)
東京新聞・望月です。関連ですが、辺野古移設・移転の中止を訴えた知事の選挙での圧勝から知事や県民は繰り返し、耐久年数200年と言われる辺野古基地に反対の意をずーっと示し続けてきました。で、結果としてですね、政府はその意向を一顧だにせず、土砂投入に踏み切ります。
(
青信号)
結果として、これは県民にさらなる負担を強いることになりますが、この点、政府として、どうお考えなのですか?
(
黄信号)
関連でですね、玉城知事、今朝、官房長官・防衛省に工事中止と協議を申し入れたが、えー、(
黄信号)
予定ありきで県民の民意を無視し、進める工事に強い憤りを禁じ得ないと強く反発されました。
(
青信号)
このタイミングで踏み切ったことについてですが、来夏の参院選への影響を最小限にしたいということではないんでしょうか?」
沖縄県民への負担増大、参議院選挙への影響という観点で、質問に関係する経緯を説明した上で質問に入っている。
つまり、3人とも質問文の構成には大差がない。