始まりつつある「デフレ中国」。カネを使わぬ若者増で日本料理店に影響
2019.02.14
春節(旧正月)で爆買いする訪日中国人の姿が今年も注目されているが、本国では真逆の現象が起きている。経済が低迷期に突入し、デフレの懸念も出てきた中国の今をリポートする!
急速な経済成長を背景に消費拡大が続いてきた中国だが、風向きが変わり始めた。米中摩擦が先行きに暗い影を落とし、GDPの伸び率も28年ぶりの低水準。さらに年初に李克強首相は「苦しい生活に備えよ」と述べ、経済失速を警告した。こうしたなか、庶民の間で、購入する財やサービスのグレードを下げ、節約に繋げる「消費降級」と呼ばれる動きが広がっている。
そんな消費降級の波は、中国在住日本人にも影響を与えている。
「こっちにいる日本人で成功してるのはほとんど日本料理店のオーナー。今までは儲かってたんだけど……」
広州在住歴10年の日本人は言う。
「’17年頃までは、刺し身や和牛の焼き肉など、高単価なものが売れた。平日も満席で、客単価も一人5000円以上。出店すれば儲かるので、2号店、3号店と拡張していった」
時代の変化は早い。昨年ぐらいからドラマ『深夜食堂』が中国でもブームになり、低価格で素朴な居酒屋が乱立し客単価も落ちていった。
「今、中国で大ブレイクしている日本料理は1杯500~600円の豚骨ラーメン。上海や深圳、広州では出店が相次いでいます。中国人はスープ目当てであまり替え玉しないんです。客単価は低いし、中国人オーナーも増えて過当競争に陥っている。もう店を全部売って日本に戻ろうかと思ってます」
日本料理ではもう稼げないのだ。
― お金を使わない中国の若者 ―
消費降級に在中日本人も苦しんでいた
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