EU委員会は最悪のことを配慮して、3月30日からヨーロッパ大陸と英国間をこの先12か月延長して従来通りの航路を利用できるようにするという提案をEUは昨年12月に英国に対して行っている。この回答も英国側からは未だない。
スペイン政府はEU委員会に対し、イベリア航空が抱えている問題、即ち同航空が英国航空と経営統合しているが、スペインに属する航空会社だということを実証する為に航空ライセンスの延長を申請したそうだ。
イージジェットの場合は、3月29日までに同社の株の50%以上がEUに属しているということにする為に同社への投資家と協議にはいっているそうだ。(参照:「
El Confidencial」)
ヨーロッパで最大の利用客数を誇っているライアン航空の場合は英国民間航空局(CAA)から英国での運航許可を取得した。これによって英国とEUの間で3月29日までに合意に達しなくてもヨーロッパ大陸への飛行は可能となる。しかし、英国からのフライトではなく欧州域内でのフライトについては現状では依然問題を抱えることになる。(参照:「
Preferente」)
英国政府が最終的にどのような形でEUから離脱するのか明白になるまでヨーロッパの航空業界は混乱から免れることはない。
<文/白石和幸 photo by
Simon Allardice via flickr(CC BY 2.0)>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身