これらができてきたら、口元の表情のスキル訓練だ。相手をにらんでいるように見えた自分の動画を再生して、口元がどうなっていたか自分で観察してもらう。
そうすると、ほとんどの場合、口角が下がっていることに気づく。口が「へ」の字になっていて、その結果「しかめ面」になっているのだ。自分ではしかめ面をしているつもりはなくても、そのような表情になってしまっているケースが多々ある。
このような場合には、口角を上げるということを意識的にすることがオススメだ。話すことと口角を上げるということを同時に行おうとすると、最初はどっちつかずになってしまう。そこで、話す前に口角を上げる、話し終わったら口角を上げるということ実施してみるとよい。
話の最初と最後に口角を上げるということを心がけるだけで、次第に話の途中でも、そして意識していなくても、口角が上がっていく。その後、動画を自撮りして再生してみると、この効果に気づく人が多いのだ。
質問:相手をにらんでしまう
「話しはじめに相手を見る」ということを心掛けています。しかし、自分ではそのようなつもりはないのですが、相手から「にらんでいるように見える」と言われてしまいました。相手を見るとき、にらまずに感じのいい印象を与える方法はないでしょうか?
回答:口角を上げる
相手をにらんでいるという印象は、目の表情よりも、口元の表情が影響している可能性があります。口角が下がってしまい、口が「へ」の字になってしまっていると、自分ではそのようなつもりがなくても、にらんでいるように思われてしまいますね。口角を上げて話すということにトライしてみてください。
【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第120回】
【山口 博(やまぐち・ひろし)】グローバルトレーニングトレーナー。モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(
単行本、
新書、ともに扶桑社)、『
99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100』(講談社)、『
ビジネススキル急上昇日めくりドリル』(扶桑社)がある