本連載を執筆するにあたって、私は韓国語を読解することができませんが、韓国側メディアの日本版、KJ Club掲示板などの日韓有志による翻訳、Googleによる機械翻訳、そして読者有志による翻訳の提供を受けました。結果、日本側で報じられている内容が韓国側の公式発表と著しく乖離していること、明らかに事実と異なることがあまりに多くあるというよりも大部分が虚構であることに愕然としました。
幸い、安宿緑氏による翻訳を得ることができるようになりましたが、韓国国防部によるブリーフィングの全邦訳は見かけませんのでここに公開しました。
本稿執筆時点(1月19日)の段階では内容は不明ですが、1月21日には防衛省による新たな証拠の提示が遅まきながら行われると報じられています。これが韓国側の求めるスモーキング・ガン=確たる証拠であるならば、韓国側は日本と証拠を精査の上で真相を究明し、本件事態を解決するとともに今後の教訓をともに得ねばなりません。韓国側がスモーキング・ガンとして、何を求めているかは1月15日韓国国防部ブリーフィング訳で自明です。
本件事態は、近隣友好国同士の典型的な軍事的インシデントであり、再発防止のために両国が協力して努力せねばなりません。
一方で、
軍事機密(防衛機密)が関わるために情報をすべて明らかにすることができないため、市民は常に隔靴掻痒(かっかそうよう)たる思いをすることになります。ここに
デマゴーグの介入と主戦論者の跋扈(ばっこ)が生じる隙があります。
野心を持つ主戦論者や権力者がメディアに対してデマゴギーを撒き散らし、相手の情報が正確に入らないために市民がおおきく誤り国を滅ぼすという大失態は、約90年前に我々が経験してきたことです。
弾薬庫の前でマッチ遊びをするような愚行は絶対に許してはいけません。
『コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」』番外編――広開土大王射撃電探照射事件について5
<取材・文・撮影/牧田寛 Twitter ID:
@BB45_Colorado>
まきた ひろし●著述家・工学博士。徳島大学助手を経て高知工科大学助教、元コロラド大学コロラドスプリングス校客員教授。勤務先大学との関係が著しく悪化し心身を痛めた後解雇。1年半の沈黙の後著述家として再起。本来の専門は、分子反応論、錯体化学、鉱物化学、ワイドギャップ半導体だが、原子力及び核、軍事については、独自に調査・取材を進めてきた。原発問題についての
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まきた ひろし●著述家・工学博士。徳島大学助手を経て高知工科大学助教、元コロラド大学コロラドスプリングス校客員教授。勤務先大学との関係が著しく悪化し心身を痛めた後解雇。1年半の沈黙の後著述家として再起。本来の専門は、分子反応論、錯体化学、鉱物化学、ワイドギャップ半導体だが、原子力及び核、軍事については、独自に調査・取材を進めてきた。原発問題について、そして2020年4月からは新型コロナウィルス・パンデミックについての
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