それに対してサルビニ内相は、「イタリアの港は封鎖を続ける。我々はこれまで余りに多くの偽った<逃亡者>を受け入れた。また密入を斡旋する違法業者を儲けさせてしまった。左派系の市長は密入国者のことでなく、イタリア人市民が生活に困窮していることを先に考えるべきだ」と述べた。
更に、サルビニは「法に背く代わりに(市長は)もっと働くべきだ。法的にそれは解決されるだろう」と述べた。即ち、市長の考えに賛成か反対か次期選挙で市民が決めることになるとしたのである。(参照:「
La Vanguardia」)
ところが、サルビニも強い姿勢を堅持することが些か難しくなっているのである。というのは、パレルモ市長に共鳴する他の都市の市長が続々と政府の方針に反旗を翻すようになっているからである。
まず、ナポリのルイジ・デ・マジストゥリス市長は「(オルランド市長の)不服従ということではなく、それは憲法を順守する行為だ。政府の政令は平等や亡命の権利を守っている憲法とは矛盾する」と述べた。
五つ星運動を追放されたパルマのフェデリコ・ピツァロティ市長はオルランド市長の意見に同調して、「この政令だと、(難民が公共サービスなどを受ける為の)書類を入手するのは非常に難しい」と語った。
レジオ・カラブリアのジュセッペ・ファルコタ市長は「規定の条件を満たしていない移民は追放するようにと指示されているが、どこに彼らを送還するのか明確にしていない。だから、我々は憲法を否認するような(政府の)政令の適用は断固できない」と表明した。
イタリアの全国市長連盟のアントニオ・デカロ会長は「どの政党に所属ということに関係なく満場一致で我が連盟は政府の取った手段は人権において交渉の余地はないということを表明した」と語った。
パレルモのオルランド市長の決定にイタリア全国の市長そして他政党も共鳴したのである。(参照:「
El Periodico」)