●韓国側からの報道、発表の要点抜粋{括弧内は同一記事内などから牧田による補足}(韓国語は全く読めないので様々な邦訳を参考にしています。)
12/21 「わが軍は正常的な作戦活動中だった。作戦活動の際にレーダーを運用したが、日本の海上哨戒機を追跡する目的で運用した事実はない」韓国国防部発表
(参照:
“海自機に射撃レーダー照射 「追跡の目的ではない」=韓国国防部” 聯合ニュース2018/12/21)
12/23 韓国軍「消息筋」「関係者」への取材
韓国軍消息筋による発言
「東海で遭難したとの通報を受けて出動した駆逐艦『広開土大王』が船舶捜索のためのマニュアル通り、航海用レーダーと射撃統制レーダー{MW08}を{対艦モードで}フル稼働していた」
「その後、日本の哨戒機が艦艇の方向に接近し、光学カメラを運用した」
「追跡レーダー{STIR180}が(光学カメラと)共に稼働されたが、ビームは照射しなかった」
「実際に日本の哨戒機を威嚇する行為はなかったことを明確にしたい」
韓国軍関係者による発言
「遭難した船舶を見つけるため人道主義的な作戦を行ったと説明し、日本もその内容を知りながら問題提起を続けることは理解できない」
「{日本側は、}公海上で韓国海軍の活動を制約する意図ではないかと疑われる」
「日本の哨戒機は艦艇が捜索救助作戦を始めてからしばらく後、接近してきた」
「艦艇の上空を飛行するなど、むしろ威嚇的だった」
「日本の哨戒機は国際商船共通網で海洋警察を呼び出し、通信感度も極めて低かった」
「艦艇では海洋警察{Korea Coast Guard:参峰号}を呼んでいると認識した」
(参照:
“日本哨戒機接近し撮影用光学カメラ稼働 ビーム放射はせず=韓国軍” 聯合ニュース2018/12/23)
12/24 複数の「軍消息筋」への取材
海上哨戒機P-1が近接してきたため、これを識別するために電子光学標的追跡装備(EOTS)を作動した。消息筋は「当時1.5メートルの波が立ち、1トン未満の北朝鮮漁船を探すのが難しい状況だった」とし「当時、(艦砲とミサイル照準用)射撃統制レーダーのSTIR 180は日本哨戒機に向かってレーダー電波を撃っていない」と説明した。
光学カメラに赤外線装備をつけたEOTSは、悪天候や夜間に遠く離れた物体を把握する装備で、射撃統制レーダーSTIR 180に装着されている。EOTSを哨戒機側に向けたことでSTIR 180のアンテナが一緒に動いたが、STIR 180からレーダー電波は放出されなかったというのが軍説明だ。
STIR 180は指揮部の許可を受けないと作動させることはできない。
(参照:
“日本「味方に銃撃つか」vs韓国「射撃用レーダー撃たなかった」“中央日報 2018/12/24 7:43)
12/24 韓国国防部定例発表(国防部イ・ジンウ副報道官)
「わが軍は人道主義的構造のために正常な作戦活動をしたのであり、日本側が脅威を感じるいかなる措置も取らなかった」
「日本側が誤解している部分があるのなら、通常の手続きに基づいて両国当事者間で疎通と協議を通じて解消すればよいことだ」
「きょう開催される外交部局長級会議を含め、国防・外交当局間で緊密に協議していく」
「我々は(20日の事件)当日にも外交経路を通じて十分に事実関係と我々の立場を(日本側に)伝達したと理解している」
「今後こうした疎通と協議を通じて対話をしていけば十分にそのような誤解は解けると判断する」
(参照:
“韓国軍「日本哨戒機に追跡目的レーダー運用せず」”中央日報 2018/12/24 )
12/27 韓国国防部発表
「韓日国防当局は日本哨戒機関連の事案に対して実務級テレビ会議を開催した」
「今日の実務級テレビ会議は韓国側の合同参謀本部作戦部長のキム・ジョンユ陸軍少将と日本側の池松英浩首席参事官らが参加した」
この日、両者は会議で、相互誤解を解消するために事実関係の確認と技術的な分析などに関して意見を交換した。国防部は「会議は友好的かつ真摯(しんし)な雰囲気の中で行われ、今後、関連実務協議を続けていくことで一致した」と説明した。
(参照:
“韓日、レーダー関連実務級会議…「友好的で真摯な雰囲気」“中央日報2018/12/28 6:40)
12/28 韓国国防部の報道官発表
「(駆逐艦の)『広開土大王』は正常な救助活動中だった。わが軍が日本の哨戒機に追跡レーダーを運用しなかったという事実に変わりはない」
「韓日の当事者間の速やかな協議を通じ、相互の誤解を払拭(ふっしょく)させ、国防分野の協力関係発展を模索する趣旨でテレビ会議を開いてからわずか1日後に映像を公開したことについて、深い憂慮と遺憾を表明する」
「むしろ人道主義的な救助活動に集中していたわが艦艇に日本の哨戒機が低空の威嚇飛行をしたことは、友好国として極めて失望的なこと」
「日本側が公開した映像は哨戒機が海上で旋回する場面や操縦士の対話の場面だけが収められており、一般常識的な側面から追跡レーダーを照射したという日本側の主張に関する客観的な証拠とはみられない」
「日本側は国際法や兵器体系に関する正確な理解に基づいて協議していくべきなのにもかかわらず、一方的な内容を収めた映像を公開して事実関係をごまかしていることについて、あらためて遺憾を表する」
「われわれはこれまで日本の一方的な行動について節制した対応を取ってきた」
「日本側のこうした遺憾な行動にもかかわらず、韓日の国防協力関係を未来志向に発展させていかねばならないという立場に変わりはない。日本側は韓国と軍事的な友好協力関係を維持するという精神を持続的に堅持しなければならない」
(参照:
“レーダー照射問題 日本の映像公開に「深い憂慮と遺憾」=韓国国防部” 聯合ニュース2018/12/28 17:56)
1/4 韓国国防部反論映像公開(字幕の抜粋翻訳)
「日本は人道主義的救助作戦への妨害行為を謝罪し、事実歪曲を直ちに中断すべきだ」
「日本の哨戒機はなぜ人道主義的な救助作戦現場で低空威嚇飛行をしたのか」
「日本哨戒機は『広開土大王』の150メートル上空、500メートルの距離まで接近した」
「艦艇の乗組員が騒音と振動を強く感じるほど威嚇的だった」
「日本は国際法を遵守したと主張するが、果たして本当だろうか」と問いながら、日本側が主張した国際民間航空機関(ICAO)の高度150メートル以下の視界飛行禁止規定は軍用機でなく民間航空機に適用される規定だと反論した。
「『広開土大王』が日本哨戒機に向けて追跡レーダー{STIR180}を作動したとすれば、日本哨戒機は直ちに回避機動をすべきだった」
「しかし『広開土大王』側に再び接近するという、常識に外れた行動を見せた。なぜそうしたのか答えるべきだ」
(参照:
“「日本哨戒機が低空威嚇飛行」…韓国が反論映像” 中央日報2019/1/5 10:11)