収入増なき消費増税で、いまそこに来る「住宅ローン破産」のリアル

時系列をノートに

家主の田中さん、困窮していった時系列をノートに書いて説明してくれた

住宅ローンの滞納者が急増。強制執行の現場に直撃!

 今回は関口さんの強制執行の現場に同行させてもらい、築5年のまだまだキレイな家の中で、悲壮感あふれる家主である田中淳一さん(仮名・40歳)に話を聞かせてもらった。 「35歳のとき“頭金ナシ”で、私が借りられる限界値の3800万円のローンを組んだのが運の尽き。毎月の支払いは12万円。僕の手取りは25万円だったので、妻にもパートで働いてもらい、どうにか返していたのですが……」  田中さんは毎月の小遣いを1万円に減らし、職場でも毎日愛妻の弁当で過ごすなど切り詰めた節約生活を送っていたが、滞納の発端は賞与の減額だった。 「借入額の40%をボーナス返済にしていました。ただでさえ毎月の支払いが家計を圧迫したのに、勤め先のIT企業が業績不振からボーナス50%カットになった。貯金を切り崩し、しのぐも昨年の夏はさらにボーナス遅延。消費者金融の借入先が1件、2件と増えていく悪循環に、耐えられず……」  無計画な住宅ローンを組めば、夢のマイホームは簡単に失われる。まずは、現実を見ることから始めるべきなのかもしれない。 ― 新型[下流社会]の衝撃 ―
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