中国社会・各世代の“特徴”
中国版シリコンバレーで実施される“対「95後」策”
悩みどころは、95後世代に対するリーダーシップが難しい点だ。従来のトップダウン形式は全くといっていいほど効かない。
「彼らの個性や能力を認め、鼓舞しながら巻き込んでいくことが不可欠。ひとたび、『この人は自分を認めてくれている』という信頼を得れば能力を発揮してくれます」
中国版シリコンバレーといわれている中国・中関村ではいち早くトップダウン型から、メンバー一人一人のモチベーションファクター(意欲が高まる要素)を梃にした巻き込み型リーダーシップのスキルを高める方向にシフトしようとしている。その背景にも、95後世代への配慮が見て取れる。中国では逆に上司が若い世代にマネジメントを依頼するなどの取り組みも行われるという。
多少、過保護であることも否めないが「確かに95後はストレス耐性が低いですね。しかし、それに加えて彼らは国内志向が強い。国内のベンチャー企業が、ほとんど一夜にして巨額の富を得る『一夜爆富』の姿を目の当たりにしているからです。それならば、なおさら上司層がサポートして能力を発揮させてあげることが、国と企業の発展に繋がるのです」
一方、ブラック企業が若者をトップダウンで酷使する事例が後を絶たない日本。「95後」とそのマネジメントに関する問題から、日本が学ぶことは多いかもしれない。
朱子靑氏
【朱子靑氏】
中国無錫市出身。Wish&Recommend inc.取締役。東京工業大学を卒業後、日本でIT、経営、教育関連のコンサルタントとして活動。現在、日中両国で同業務に従事
(聞き手:モチベーションファクター株式会社代表取締役 山口博)
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