ロシア国民の中で「旧ソ連」を懐かしみ「ロシア帝国」復古を望む声が増加!?

プーチンカレンダー人気

日本でのプーチンカレンダー人気を報じる「La Vanguardia」紙

 12月18日付けのスペイン紙『La Vanguardia』(電子版)が、プーチン大統領の写真が入った2019年のカレンダーの人気が日本で独占販売している「ロフト」で俳優の田中圭とフィギアスケートの羽生結弦の2位と3位を大きく引き離してトップの座にあることを報じている。  北方4島をまだ解決させることが出来ないでいる日本の安倍晋三首相はプーチン大統領のこの人気の高さをどのように感じているのだろうかと記事の中で尋ねている。

プーチンへの国内支持率は下落傾向だが……

 本国のロシアでは年金問題(定年年齢の引き上げと支給額の減額)でプーチン大統領の支持率も今年7月の時点でそれまでの78%から63%に落ちた。(参照:「El Pais」)  他国の指導者への支持率と比較すれば、プーチンのそれは依然高い。しかし、世界報道自由度ランキングで180か国の中でロシアは148位に位置している国だ。この支持率への信頼性は疑わしい。  ロシアは欧米からの制裁の影響もあって国内経済は厳しい状況下にある。それは報道されないだけである。それでも世界におけるロシアの勢力維持で資金を費やしている。その費用は国内に向けるべきだという批判もあって、プーチン外交への支持率も2016年の22%から18%に減少>している。(参照:「El Pais」)  それでも15年余りのプーチンの政治はロシアの進展に貢献しているのは確かである。2000年にプーチンが初めて大統領に就任した時、彼は欧州連合と米国に協力して国を発展させる意向でいたという。ところが、欧州連合も米国もロシアが旧ソ連のような勢力を持った国家になることを望んでいなかった。寧ろ、ロシアを弱小国にすることに関心があった。特に米国はこの時だと見てソ連の連邦国の一つだったウクライナに手をつけた。ウクライナを欧米圏内に入れようとしたのである。  それは歴史的にもロシアにとって容認できないことであった。この出来事を発端に米国そして米国の家臣とも呼べる欧州連合はロシアと対立を鮮明にするのである。その一方で、プーチンのロシアは旧ソ連の復活を誓うのであった。  と同時に欧米がロシアへの制裁を鮮明にしたことが、逆にロシアが中国に接近することを動機づけた。その結果、現在の米国はロシアと中国を同時に敵に回することになったのである。
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プーチン人気の底堅さに国民の「ソ連懐古」志向!?
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