《南アランド/円は7~9円のレンジか!?》南アのインフレ率は直近で4%台と安定しているため利上げの可能性は低い。対米関係の悪化や5月の選挙での与党惨敗でランド売りが進む可能性があるため、7円台前半での押し目を狙うのが吉
「’18年8月にラマポーザ政権は白人農地の収用に向けて、憲法改正を行う政府方針を発表しました。白人の農場経営者から補償なしで土地を収用して、黒人へ再配分するというのです。これは完全な“選挙対策”。当然、南ア国内の白人から猛反発を食らっているのですが、トランプ米大統領もツイッター上で批判しています。米国から経済制裁が科されるようなことがあればダメージは深刻です。米国は南アの主要貿易先の1つですから」
そのため、ランドは対円に比較して、対米ドルの取引が多いという。当然、米ドルの影響を受けやすい。
「FRBは’19年もペースは緩めながら利上げを続ける方針。南アとの金利差は縮小して、ランド売りの米ドル買いが進みやすい。おのずと対円でもランド安は進みやすい」
では、どんな投資戦略が有効か?
「政策金利が6.75%と高く、スワップ収入が期待できるので、基本は『押し目買い』。私はランドの上値は9円台、下値は7円と予想しています。ただ、ランド/円は9割以上のほうがロング。ポイントになりそうな7円を割ったら、一気に下落が加速する可能性もある。事実、日本国内ではロングが99%を占めたトルコリラ/円が’18年には大暴落しています。7円台は買い場ではありますけれど、底が固いことを確認しながら取引していきたい」
《’19年南アフリカランド戦略》
1 5月の選挙に向けて高値の山を作る!?
2 対米関係の悪化に備えたポジションを
3 7円台前半での押し目買いに徹する
【神田卓也氏】
外為どっとコム総合研究所調査部長。インターバンク市場で為替・デリバティブ等の取引を経験した後、’09年に外為どっとコムへ。主要通貨に加えて新興国通貨にも精通
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