生活苦で副業を余儀なくされたとき、気をつけるべき点とは?

「複業」が叫ばれ収入形態を複数持つことを推奨される昨今。その名のとおり、会社員をやりつつアルバイトに身をやつす人々も……。まさに「働き方改革」の裏街道、気をつけるべき事は何だろうか。

無断副業で解雇になっても裁判で勝てる!?

 厚労省が発表した「働き方改革」の中では副業・兼業を促進しているが、現状の例として挙げられているのは本業に関連づけたスキルアップなどで、単純労働系のアルバイトはあまり想定されていないようだ。労働問題に詳しい、社会保険労務士の榊裕葵氏はこう話す。 「一例を挙げれば、製薬会社の社員がエンドユーザーの傾向を知るためにドラッグストアでアルバイトするというのが、いわゆるスキルアップのための副業です。こういった副業は本業の会社から推奨ないし許可を得やすい傾向にあります。しかし生活苦や予期せず大金が必要となった場合などは難しいものがあります」  副業は元来、法的には「原則自由」。それでも副業規定を設ける企業が多いのはなぜか。 「副業の疲労から仕事のパフォーマンスが低下する憂慮が一番の理由です。なお、風俗系の副業の場合は、会社の評判や品位を落とす恐れもありますが、完全に禁止が認められる業種や職種は限定的でしょう。つまり仕事の内容や会社に届け出をしていなかったということだけで懲戒解雇をされても、裁判をすれば労働者勝訴になる可能性が高いのです。副業の可否が争いになった場合、本業の勤務態度が一番の焦点となります」
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副業は「会社以外の居場所」確保というメリットも
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