アンダルシア州そしてスペイン中央政府の政権を国民党とシウダダノスが連携して担うと仮になった場合、過半数に満たないことからボックスを味方につけねばならなるが、そこで一つ問題が出て来る。特に、シウダダノスは党首のアルベール・リベラが「わが党は自治州制度の擁護派であり、ヨーロッパ主義者である」「スペインでは真に移民問題は存在しない」と主張しているのである。(参照:「
SER」)
即ち、移民問題は可成り以前から存在していた問題であって、それがメディアなどで吹聴されて過大視されて来たということなのである。実際にそれを裏付けるべくスペインで中立的な姿勢で報道を心がけている電子紙『EL DIARIO』 が12月3日付けで報じているところによれば、アンダルシア州に今年到着した違法移民は48376人で、イタリアのように毎月2万人、あるいはギリシャの場合は2015年に80万人が到着しているのに比べれば、スペインのそれは遥かに低いという。(参照:「
El Diario」)
この報道内容に近い姿勢を保っているシウダダノスが仮に国民党と連携して政権を担うとなった場合に、どこまでボックスの過激な政治姿勢を容認するか注目されるところである。ちなみに、シウダダノスはカタルーニャで誕生した政党で、カタルーニャで独立反対派を味方にし、それに国民党と社会労働党を嘗て支持していた有権者によって支えられている中道右派の政党である。
<文/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身