こんな企業研修はうまくいかない! 研修主催者がありがちな落とし穴

参加者を尊重すれば演習効果が上がる

 それは考えてみれば当たり前のことだ。いい環境で実施すれば、演習効果が上がる。演習を行う当事者は参加者自身だ。参加者にとっていい環境というのは、心地いい席であり、心地いい相手なのである。  もちろん、何度か演習を実施していくなかで、別の相手と組みたくなれば、そう感じたときに別の相手と組めばいい。最初は自部門のお仲間と演習を実施していたが、後半からは他部門の初対面の人と演習したいと思ったら、その人と組めばいいのだ。  このように、相手の裁量に委ねるということは、性善説に立って相手を信頼する、相手の考え方を尊重するということでもある。トレーナーが参加者を尊重すれば、トレーニング効果は上がるのだ。逆に、トレーナーが参加者を信用していないと思われるような行動をとると、途端に演習効果が下がる。  そのようになってしまう引き金は実にさまざまに存在する。そして、それらのなかには、研修主催部門が当たり前と思って長年実施してきた施策もある。次回も、そういった事例を紹介したい。 【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第115回】 【山口 博(やまぐち・ひろし)】グローバルトレーニングトレーナー。モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい、2017年8月)がある
(やまぐち・ひろし) モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社新書)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい)、『99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100』(講談社+α新書)、『ビジネススキル急上昇日めくりドリル』(扶桑社)がある
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チームを動かすファシリテーションのドリル

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