取材系イベントなども規制強化の方向。なぜ、パチンコ店の広告だけ規制されるのか?

なぜ、パチンコ店の広告だけ規制されるのか

 SNS系の集客イベントは、より複雑である。  例えばこんな具体だ。或る女性タレントがSNSを通じてファンとの「オフ会」を開催すると宣伝する。その「オフ会」の場所が、パチンコ店になるという仕組みだ。女性タレントは、「〇月〇日、○○店に集合!」と呼び掛けているだけ。そして後日、「オフ会」のレポートと称して、当日のパチンコ店の出玉状況なんかをアピールする。  これが継続されると、この女性タレントが「オフ会を開く日の、オフ会を開くパチンコ店は出る」というイメージが形作られる。そんな感じだ。  この場合も、お店はオフ会に場所を提供しているという建前が成り立つ。  今回の広告宣伝の規制は、このような取材系・SNS集客系イベントも強く禁じている。  いくらギャンブル等依存症対策の一環であり、善良で正常な風俗環境を乱し、著しく射幸心をそそる恐れがあると言われても、では、パチンコ店はここまで広告宣伝の規制を受けなければならないのか?  テレビを付ければ、人気タレント達による競馬や競艇、競輪などの公営ギャンブルや宝くじ等のCMが、これでもかと流される。公営ギャンブルがいかにもファッショナブルで、宝くじがあたかも年末の「恒例行事」かのように。  官は、やりたい放題ではないか。なぜ民のパチンコだけが規制されるのか。  パチンコ業界内でもそのような声は多く聞かれるし、ある一面においては、十分に理解が出来る言葉でもある。  一方で、パチンコ・パチスロは「遊技」であり、出玉は「賞品(景品)」との交換を前提としているというのであれば(この賞品に「換金行為」に繋がる特殊景品は含まない)、公営ギャンブルや宝くじは良くて、パチンコは悪いのかという反発は筋違いな話でもある。  誤解がないように記しておくならば、「新台入替」を伝えるチラシ等の宣伝は許されている。これはあくまで「事実の宣伝」という事で、射幸心を著しく煽っていない。  また企業のイメージ宣伝等も問題はない。テレビやラジオでパチンコ店やパチンコ企業のCMが流れるが、その内容については、警察庁も組合も容認している。  その上で筆者は、パチンコ店はもっと広告宣伝をしても良いと思う。  パチンコ店はあくまで民間企業であり、商売をしているのだから、風営法に規制されない範囲においては、もっと広告宣伝をするべきではないのか。  あくまで持論ではあるが、遊技機のCMは、何の問題もないはずだ。  勿論、遊技機の出率等の仕様については、風営法等に規制されているが、一旦審査を通った遊技機であれば、堂々と宣伝すべきであろう。  そもそもパチンコメーカーによる遊技機の販売は、風営法に規制されている訳ではない。  かつてはゴールデンタイムに、それこそ今の競馬や競艇以上に流されていたテレビCMは、東日本大震災の時の社会状況を勘案し、メーカー側がCM出稿を自主規制しているだけである。  射幸心を著しく煽る行為は違法かも知れない。但し、射幸心を全く煽らなければ、パチンコだけではなく、他の公営ギャンブルや宝くじも成立しない。要は、正規な範囲での射幸性であればゆるされるのだ。  だからこそ、ギャンブル等依存症対策を前提として射幸性が低減されたパチスロの6号機等は、「(ギャンブル性を抑えた)楽しめる遊技機」として、もっとアピールをして良いと思う。  そのCMを見た人がどう思うのかは、また別の問題だが。 <文・安達 夕 @yuu_adachi
Twitter:@yuu_adachi
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