2800万円で宇宙旅行が可能に! 米企業ヴァージン・ギャラクティックの宇宙船が宇宙飛行に成功

宇宙旅行ビジネスが始まる

VSSユニティから見た宇宙と地球

VSSユニティから見た宇宙と地球 (C) Virgin Galactic

 サブオービタル飛行の宇宙旅行ビジネスには、同社のほか、Amazonのジェフ・ベゾス氏率いるブルー・オリジンも参入を目指し、ロケットと宇宙船の開発を続けている(※参考:“マネキン・スカイウォーカー”宇宙へ! Amazon創業者のロケット、宇宙旅行の実現に向け開発進む)。  もっとも、サブオービタル宇宙旅行の市場は、世界中で年間数百億円ほどと予測されており、それだけではあまり大きな市場とはいえない。これは、1回の飛行あたりのチケットが約2000万円と高価であり、それでいて宇宙にいられる時間はわずか数分間と、市場としての広がりがあまり見込めないからである。  ただ、こうした宇宙船を宇宙旅行ではなく、旅客機よりも早く飛べる新たな交通手段としても活用しようというアイディアもある。  また、宇宙船を運航する空港(宇宙港、スペースポート)の運営や、その周辺のリゾート地としての活用、また宇宙旅行を利用した結婚式などのイベントの提供、さらには宇宙旅行のための訓練の提供や、船内で着る服や食べる宇宙食といった、宇宙旅行に関連した、あるいは派生した新たなビジネスが生まれ、それが成長を遂げる可能性はある。  日本でも、こうした潮流に乗ろうという動きが始まっている。たとえば今年はじめには、サブオービタル宇宙船の開発を目指した宇宙ベンチャー「Space Walker」が設立。また今年11月には、日本にスペースポート(宇宙港)を開港することを目指した一般社団法人「Space Port Japan」も立ち上げられている。  宇宙旅行ビジネスはまだほとんど始まっていない未知の分野であり、その市場がどこまで広がりを見せるかは誰にも予想できない。しかしだからこそ、起業家や投資家にとっては挑戦のしがいがあるといえる。
VSSユニティから見た宇宙と地球

VSSユニティから見た宇宙と地球 (C) Virgin Galactic

<文/鳥嶋真也> 宇宙開発評論家。宇宙作家クラブ会員。国内外の宇宙開発に関する取材、ニュース記事や論考の執筆などを行っている。新聞やテレビ、ラジオでの解説も多数。著書に『イーロン・マスク』(共著、洋泉社)があるほか、月刊『軍事研究』誌などでも記事を執筆 Webサイト: http://kosmograd.info/ Twitter: @Kosmograd_Info(https://twitter.com/Kosmograd_Info) 【参考】 ・Virgin Galactic – Richard Branson Welcomes Astronauts Home from Virgin Galactic’s Historic First Spaceflight(https://www.virgingalactic.com/articles/first-space-flight/) ・Mission – Virgin Galactic(https://www.virgingalactic.com/mission/) ・Vision – Virgin Galactic(https://www.virgingalactic.com/vision/) ・Space Walker | 宇宙が、みんなのものになる(https://space-walker.co.jp/) ・Spce Port Japan | スペースポートジャパン(https://www.spaceport-japan.org/
宇宙開発評論家。宇宙作家クラブ会員。国内外の宇宙開発に関する取材、ニュース記事や論考の執筆などを行っている。新聞やテレビ、ラジオでの解説も多数。 著書に『イーロン・マスク』(共著、洋泉社)があるほか、月刊『軍事研究』誌などでも記事を執筆。 Webサイト: КОСМОГРАД Twitter: @Kosmograd_Info
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