「型なし」の国会を「型通り」にしか報じぬメディア。このままでは「国の型」が崩壊する
改憲議論もそうだろう。自民党は改憲案を提示したいと息巻いているが、現状、自民党に「自民党案」があるわけではない。にもかかわらず政府与党側は「議論しよう」と息巻いている。
中身のない法案を可決しろと迫り、野党の指摘を無視し、自前の案さえないのに議論を求める……。つまりこの臨時国会は全く国会の「型」をなしていなかったのだ。
さらに不思議なのは、メディア各社の姿勢だ。国会が型なしに陥っているにもかかわらず、メディアは「各会派の賛否状況を伝えるだけ」という型通りの仕事に汲々としている。これでは型通りの仕事で、型なしの連中に加担しているのと変わらない。
次の国会では、いよいよ改憲がクローズアップされる。型なしに陥った国会が、この国の「型」を議論しようというのだ。
その時にメディアが型通りの仕事に汲々としているようであれば、この国の型そのものが、型なしに陥ってしまうだろう。
<取材・文/菅野完>
すがのたもつ●本サイトの連載、「草の根保守の蠢動」をまとめた新書『日本会議の研究』(扶桑社新書)は第一回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞読者賞に選ばれるなど世間を揺るがせた。現在、週刊SPA!にて巻頭コラム「なんでこんなにアホなのか?」好評連載中。また、メルマガ「菅野完リポート」や月刊誌「ゲゼルシャフト」(https://sugano.shop)も注目されている
すがのたもつ●本サイトの連載、「草の根保守の蠢動」をまとめた新書『日本会議の研究』(扶桑社新書)は第一回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞読者賞に選ばれるなど世間を揺るがせた。メルマガ「菅野完リポート」や月刊誌「ゲゼルシャフト」(sugano.shop)も注目されている
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