「投資先」として見た「米軍基地」はどうなのか?

米軍用地年間借地料の推移

米軍用地年間借地料の推移

軍用地投資は情報をいかに早く摑むかが要

 米軍用地の借地料は年1%前後の上昇を長きにわたって続けているほか、土地自体の価値も右肩上がり。有望な投資先であるのは間違いないようだが、沖縄県外の人間であっても購入は可能なのか。 「県外の方でも購入できますが、近年は人気すぎてすぐ売れてしまうので、まずは購入可能な軍用地を見つける必要があります。情報源となるのが、沖縄の不動産屋のネット広告と地元新聞の広告。新聞も電子版があるので、県外からでも情報の入手は可能です。県内外問わず情報は一緒なので、いかに情報を早く摑むかが勝負です」  また、気になるのが軍用地の購入金額。その相場は2000万~3000万円前後だという。 「琉球銀行や沖縄銀行などの沖縄の地銀には、軍用地専用のローンがあります。東京にも支店はありますし、県外の人でも利用が可能。分筆されて小さくなった土地も市場に流れていて、安いものだと300万円ほどからありますよ」  一見、いいことずくめの軍用地投資だが、リスクはないのか。 「最大の懸念は基地が返還されて、借地料がなくなり、地価も下がることです。でも、仮に返還されても、その土地が区画整理され、使用収益が見込めるまで、借地料は支払われます。また、返還後に商業施設や住宅地として活用されれば、地価が上がる可能性もある。返還の可能性と、返還された場合に想定される地価の変動などから勘案して、私は嘉手納飛行場に限定して投資をしています」
嘉手納飛行場

返還リスクの低い嘉手納飛行場は特に人気が高い。「コツコツと購入を重ね、現在は嘉手納飛行場内の1万㎡を超える土地を保有しています」

 こうして総資産を大きく伸ばしてきた三浦氏だが、次に見据えるのは「土地活用」だと明かす。 「軍用地以外にも沖縄で賃貸マンションやコンドミニアムなど6億円ほどの財産を築くことができました。よそ者である私を受け入れてくれた沖縄に土地の活用を通じて恩返しをしていきたいです」  数奇な運命の末に流れ着いた沖縄で有数の軍用地投資家として成功を収めた三浦氏。その後を追うのは、まだ決して遅くはない。 【三浦弘人氏】 ’66年、東京都生まれ。軍用地投資研究家。著書に『満室の3倍儲かる非常識な投資法』(ダイヤモンド社)がある 取材・文/藤村はるな
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