次に整備される確率が高いのが、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に向かう足として知られるJR桜島線(愛称:ゆめ咲線)の延伸だ。
こちらの計画は、JR桜島線を終点の桜島駅から夢洲駅まで延伸するもの。
整備距離は約6kmとこちらも比較的短いが、途中には桜島駅の先に新桜島駅(仮称)、中間の埋め立て地・舞洲に舞洲駅(仮称)の2駅が設けられる計画。舞洲は夢洲よりも本土寄りにある埋め立て地で、現在軌道系交通機関は乗り入れていないものの、舞洲スポーツアイランドが開設されるなど開発が進んでいる。なお、この舞洲スポーツアイランドはかつて誘致活動が行われていた大阪オリンピックの会場となる計画もあった。
USJの足として知られるJR桜島線(ゆめ咲線)。ユニバーサルシティ駅に停車するUSJラッピング電車
JR西日本は今年4月に発表した2022年度までの中期経営計画などで桜島線延伸への意欲を見せてきた一方で、JR西日本の来島達夫社長は万博のみでは将来に亘った集客が期待できないためか「統合型リゾートの誘致決定後の延伸決定」を行いたい方針を示している。
現在、桜島線は大阪環状線に乗り入れJR大阪駅まで直通運転されており、開通後の夢洲から大阪駅の所要時間は僅か20分ほどになるため、延伸となれば万博輸送のメインを担う路線となることは確実だ。
もちろん、梅田貨物線(一部は今後開通する「おおさか東線」)を利用して新大阪からの直通列車も運行されるであろう。またJR線が乗り放題となる「ジャパンレールパス」を使う海外観光客にとってみてもJR線が会場まで運行されることは喜ばしいことになる。
しかし、現在のJR桜島線はいわゆる「盲腸線」ながら、平日は通勤、休日はUSJへの観光客輸送のために比較的混雑する路線となっており、延伸となれば更なる「混雑対策」の提示も必要になってくるであろう。
賑わうユニバーサルシティ駅(夏休み期間中に撮影)