熊本地震が発生した時には、「ライオンが動物園から逃げた」というデマがツイッター上で瞬く間に拡散され、さらなる混乱を招いた。アルゴリズムは災害時に拡散されるこうしたデマやヘイトスピーチにも対応しているという。
現在、研究者らはその後の救助活動をスムーズに進めるべく、新たなウェブシステムやモバイルアプリの開発に精力的に取り組んでいる。
研究内容については、コンピュータ科学系学会ACM(Association for Computing Machinery)のジャーナル誌「ACM Transactions」(電子版)でも取り上げられている。
ソーシャルメディアを活用した災害支援については、米国でも注目を集めている。米政府農務省はカリフォルニア州で相次ぐ山火事への対策として、ソーシャルメディアの活用を提案。2015年にカリフォルニア州で発生した山火事に関する、ソーシャルメディア上で拡散された3万9千件に及ぶツイートを米国環境保護庁の大気品質モデルに統合。ジオコーディングで各ツイートと最寄りの大気品質観測所とを紐付けることでAIアルゴリズムを構築した。こうして、ソーシャルメディアを通じて山火事の発生場所を特定し、煙がどの程度蔓延しているかをおおよそ推定可能となっている。
近い将来南海トラフ地震や首都直下型地震の発生が危惧されるなか、防災への取り組みの重要性が問われている。ソーシャルメディアを活用した対策に乗り出す自治体が増えることを期待したい。
<文/大澤法子>
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ロボティア】
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