これから大阪にやってくるのは夢洲を中心とした再開発の波です。
もちろん、万博の跡地にはカジノを建設する計画を立てているので、「
いのち輝く未来社会のデザイン」という万博のテーマがギャグにしか見えません。およそ半年の開催期間は命について考えるのでしょうが、それが終わった瞬間、そこに建つのは
カジノなのです。
万博を開くお金で社会福祉を充実させた方がよっぽど「いのち輝く未来社会のデザイン」が出来上がるという皮肉な話を、まさに兆円単位のお金をかけて実現しようというのですから、日本ほどギャグセンスの高い国はないでしょう。
万博の「登録博」は5年に1回の開催のため、前回は2013年11月27日にパリのBIE総会で投票が行われました。
当時、立候補していたのはイズミル(トルコ)、エカテリンブルク(ロシア)、サンパウロ(ブラジル)、ドバイ(アラブ首長国連邦)の4都市でした。
【第1回投票】
ドバイ(アラブ首長国連邦) 77票
エカテリンブルク(ロシア) 39票
イズミル(トルコ) 33票
サンパウロ(ブラジル) 13票
【第2回投票】
ドバイ(アラブ首長国連邦) 87票
エカテリンブルク(ロシア) 52票
イズミル(トルコ) 26票
【第3回投票】
ドバイ(アラブ首長国連邦) 116票
エカテリンブルク(ロシア) 47票
ロシアのエカテリンブルクは、2回連続の落選となりました。2005年は日本の愛知県で開催されることになりましたが、2010年が上海、2015年がミラノ、2020年がドバイ、そして、2025年が大阪ということになります。ちなみに、テーマを絞った認定博は毎年のように開催されており、2019年にはミラノと北京で、2021年はドーハ、2022年はアルメレ、2023年はブエノスアイレスで万博が開催される予定となっています。
投票はパリの博覧会国際事務局総会で行われ、第1回投票で日本は85票を獲得し、エカテリンブルクとバクーの票を足しても届かないだけの得票数となりました。一発で決めるためには全体の3分の2を超えていなければならず、そこまでのシェアではなかったため、最下位のバクーを除いて第2回投票が行われることになったのです が、およそ勝負は決していたと言ってもいいかもしれません。
【第1回投票】
大阪(日本) 85票
エカテリンブルク(ロシア) 48票
バクー(アゼルバイジャン) 23票
エカテリンブルクとバクーの票を足しても71票にしかならないため、仮にバクーに投票した国が全員、エカテリンブルクに投票したとしても、第1回に日本に投票していながら第2回でエカテリンブルクに寝返るという国が続出しない限り、およそ勝負は決まっている形です。ほぼ間違いないところまで固められたのは、大阪万博を開催するために、さまざまな「
大人の事情」を用意した賜物だと思います。
【第2回投票】
大阪(日本) 92票
エカテリンブルク(ロシア) 61票
第1回投票ではバクーに入れたものの、第2回投票で再選択を迫られて日本に投票した国は、わずか7か国しかありません。一方、エカテリンブルクに投票した国は13か国となりました。残りの3か国は投票を辞退したと思われますが、バクーに投票した国々の中ではエカテリンブルクのほうが人気だったということが言えると思います。結果として、ロシアで初開催とはならず、これまでに何度も万博を開催している日本が2025年の万博開催地として認められることになりました。