キューバとブラジル・ボルソナロ次期大統領、早くも火花。キューバは派遣医師団引き揚げを決定

キューバもブラジルも「独断的」!?

 今年末までに8000人以上の医師が不足することになるブラジルで、彼らの穴を埋めるための医師を年末までに補充することは容易ではないであろう。  ルセフ前大統領はボルソナロの発言によって導き出された今回のキューバ政府の決定を前に、「(ボルソナロは)住民の関心以上に自分の先入観を優先してしまい、健康という分野における国際協力というものが何を意味するのか全く理解していないようだ」と述べてボルソナロを批判した。(参照:「HispanTV」)  独断的な偏見に基づく一言で、健康という分野での国際協力を反故にしたボルソナロ。しかし、その反面、今回のキューバの独断的決定も議会制民主主義が存在しない独裁国であるからできることであろう。  キューバ国内では医師の給与はおよそ60ユーロ(7800円)にしかならないことから、60か国以上に医療サービスを提供しているキューバだ。ブラジルから戻る医師は国内より数倍も稼げる外国にまた派遣されることを待ち望んでいることであろう。 <文/白石和幸> しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
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