たった一週間で叩き売られた日本。ゴーン報道で隠れる「安倍“売国”外交」を忘れるな

安倍とプーチン

photo by kremlin.ru(CC BY 4.0)

 日産のカルロス・ゴーン氏が逮捕された。  確かに、ビッグニュースではある。なにせ収入に関する虚偽報告が続いた期間は5年と長期間。しかも総額50億と巨額だ。  ゴーン氏が逮捕されたのは19日夕刻。彼が羽田空港に到着した直後だったという。その前日、安倍首相も羽田空港に降り立っている。東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議への出席や、オーストラリア訪問などの外遊から帰国したのだった。  首相が日本を離れたのは14日午前。その前日の13日には来日していたアメリカのペンス副大統領との会談をこなしている。約一週間で、米国副大統領、ロシア大統領、ASEAN各国首脳などなどと、首脳外交を展開した格好だ。「外交の安倍」面目躍如といったところだろう。

TGAなどと詭弁を弄したが結局はFTA

 一週間連続外交の皮切りだったペンス副大統領の会談は、一週間たった今も、杳としてその内容が知れない。官邸側からいまだなんら明確な報告や告知がないからだ。その代わりと言ってはなんだが、当のペンス副大統領のTwitterアカウントが、今回の日米交渉がどのようなものだったか、明確に報告してくれている。 ”@SecondLady & I just landed in Tokyo, Japan. I’ll be meeting with Japanese Prime Minister @AbeShinzo to discuss our important alliance, our economic relationship, negotiations for a free-trade agreement & our commitment to denuclearization of the Korean Peninsula. #VPinASIA” (妻と私はたった今、東京に到着しました。安倍晋三総理と会い、我々の重要な同盟関係や、経済パートナシップ、自由貿易協定の交渉、朝鮮半島非核化への取り組みなどを話し合う予定です)  なるほど、同盟関係、経済パートナーシップ、自由貿易協定、朝鮮半島非核化が話題だったわけだ。  しかし、まてよ…。ペンス副大統領はfree-trade agreementと書いている。つまりFTAだ。政府はこれまで、9月の日米首脳会談で合意した貿易交渉を「日米物品貿易協定(TAG)」だと説明してきた。TAGでありFTAではないと主張してきたのだ。しかも安倍晋三首相は、TAGはTPPの限度内だとも主張してきた。  しかし、ペンス副大統領の発言からは、交渉の相手側である米国はあくまでもFTAのつもりでいるらしいことがうかがい知れる。  考えてみれば当然ではある。アメリカはTPPでは不十分だとしてTPPから離脱した。そのアメリカが、TPPの範囲内にとどまる貿易協定に合意するとは考え難い。冷静に考えれば、TAGでありFTAではないと主張する政府は詭弁を弄していると、子供でも理解できるだろう。
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2島返還さえ覚束ない「北方領土交渉」の敗北
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