防衛省が行政不服審査法を“乱用”。辺野古基地建設再開に玉城デニー沖縄県知事は「自作自演」と批判

国の姿勢は、沖縄県知事選で示された民意を踏みにじるもの

謝花副知事

野党合同ヒアリングに出席した謝花喜一郎副知事。亡くなる直前の翁長雄志前知事から、病室で「埋立承認取消」の代行を託されたという

 続いて質疑応答となり、まず幹事社であるテレビ朝日の記者がいくつかの質問をした。 幹事社(テレビ朝日):いまコメントにありましたが、改めて今日、石井国交大臣が執行停止を表明しましたが、受け止めはいかがでしょうか。 玉城知事:私は法的措置ではなく、対話によって解決策を求めていくことが重要だと考えております。10月12日の安陪総理や菅官房長官との面談においても直接、対話による解決を求めたところです。  しかし、そのわずか5日後に審査請求および執行停止の申立がなされ、さらに県が意見書を提出してからも5日間で執行停止決定に踏み切った国の姿勢は、県知事選で改めて示された民意を踏みにじるものである他、法治国家においてあるまじき行為であり、到底認められるものではありません。  今回の執行停止決定に関し辺野古新基地建設ありきで、行政不服審査法の主旨を捻じ曲げてまで工事を強行しようとする国に対しては非常に強い憤りを感じております。 テレビ朝日:沖縄県としては今後、どのようなスケジュールで、どのような対応を取られますか。 玉城知事:まず県は、県の主張を詳細に意見書にまとめ、まず国土交通大臣にその不当性を訴えてまいりました。その全体を精査した上で客観的な判断を行うためには、通常は相当な時間を要するのかが普通であるが、このような短期間で執行停止が判断されたことは、まさに「結論ありきの決定」と断じざるを得ません。そのことについては我々は係争委員会への申出の時期など弁護士と協議をしながら、可及的速やかに対応したいと思います。 テレビ朝日:埋立について国は「私人と同じ立場で行政不服審査制度を使える」と主張していますが。 玉城知事:その点については法の主旨を逸脱しており、そもそも違法な審査請求であると思っております。「当該案件については国地方係争処理委員会での審査の対象になる」と考えておりますので、委員会に審査申出をすることになれば、その旨をしっかりと主張していきたいと考えております。

国が「対話を拒否する」という姿勢では、国民からの理解を得られない

テレビ朝日:この間、安倍総理と面談したばかりという印象もありますが、政府の沖縄県への姿勢はどう映っていますか。 玉城知事:私は先ほども申し上げましたが、「対話を行ってお互いの信頼関係を醸成する中で辺野古新基地建設問題は解決されないといけない」と訴えておりました。しかし、それから日を待たずに、このように沖縄県の民意を無視する行動に出ることは、非常に強い憤りを覚えます。 テレビ朝日:沖縄県知事選もあったばかりですが、民意、県民の思いというものはどういうふうに考えていますか。 玉城知事:多くの県民の方が寄せていただいた選挙結果は、翁長雄志前知事の遺志を引継いで「辺野古新基地建設は絶対に認めない」ということを改めて民意として示していただいたと強く受け止めております。ですから国がその民意を無視することは絶対に許さないと思っております。 テレビ朝日:沖縄県としては対話を求めているということですが、国となぜこういう状況になるのかについてはどう思われますか。 玉城知事:国が「対話の姿勢を一顧だにしていない」というふうに受け取られても不思議ではないと思います。この間、法による、司法による解決を求めるのではなく、「あくまでも対話と協議によってこの問題の解決をはかるべきである」と申し上げておりましたし、国が対話を拒否するという姿勢は到底国民からは理解が得られないと思います。
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玉城知事、今月訪米か?
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