さらに注目したいのは、NTTドコモが2018-2019冬春商戦向けに投入するグーグル製のスマホ「Pixel 3 (G013B)」および「Pixel 3 XL (G013D)」だ。
三代目にして日本初上陸のGoogle製スマホ。日本版のPixel 3 (左)とPixel 3 XL (右)
Pixelはグーグルが展開するブランドで、PixelブランドのスマホとしてはPixel 3とPixel 3 XLが3代目にあたる。これまでPixelブランドのスマホは日本に投入されておらず、3代目にして初めて日本で発売する。
初代は国際版と北米版の2種類を用意し、2代目は国際版の1種類に統一されたが、3代目は国際版と日本版の2種類を用意する。日本版は当然ながら日本向けのローカライズが施され、FeliCaに対応している。国際版はFeliCaに非対応となるが、日本版では非対応のeSIMに対応する。ほかに、国際版と日本版では通信方式や対応周波数が異なり、日本版では日本の携帯電話網でより快適に利用できるよう設計されている。コストなどを考慮すると種類は少ない方が得策で、実際に2代目では1種類に一本化したが、3代目ではあえて日本版を用意したことから、グーグルの日本市場への意気込みが窺える。
Pixel 3とPixel 3 XLは真のグーグル製スマホと言える。ハードウェアの開発は初代がHTC(宏達国際電子)、2代目はHTCとLGエレクトロニクスが担当したが、3代目はグーグル自らハードウェアの開発を手掛けた。グーグルは2018年1月下旬にHTCよりスマホの研究開発部門の一部を買収し、HTCより取得したスマホの研究開発部門が3代目の開発を主導した。取引対象の部門はHTC内でPixelブランドのスマホの開発を担当した部門でもある。グーグルによる買収後も引き続き台湾に拠点を置くため、台湾はグーグルにとってアジア太平洋地域で最大の研究開発拠点となった。
Pixel 3とPixel 3 XLは日本を含む13の国と地域で2018年11月1日に発売する。日本ではNTTドコモのほかにグーグルストアやソフトバンクでも販売する。
<取材・文・撮影/田村和輝>
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