沖縄の民意無視した辺野古新基地建設強行。玉城県政は政権と“全面対決モード”に突入

政府は、ボーリング調査の結論が出る前に埋立工事を再開する方針

野党合同ヒアリング

10月17日に開かれた「野党合同ヒアリング」で軟弱地盤問題について追及する、立憲民主党の辻元清美国対委員長(左端)

 続いて辻元清美国対委員長(立憲民主党)は、数千億円の血税が無駄になる恐れを表明した。埋立承認撤回の根拠の一つである「軟弱地盤」について、防衛省はいま調査中であるのに、早期の工事再開が可能な法的措置に着手していたのだ。 「この対抗措置(不服審査請求)の根拠が薄弱。地盤の調査結果は公表するのか」との辻元氏の質問に対して、防衛官僚は「地盤調査は現在進行中でボーリング調査をしている。結論はまだ先で、現時点での評価は申し上げにくい」と回答。つまり、結論が出る前に埋立工事を再開する方針ということだ。辻元氏は「どう考えても納得できない」とさらに追及を続けた。 「辺野古新基地を作ろうとした10年前と状況が変わって、物理的に辺野古に新基地はできないのではないか。軟弱地盤や活断層の問題が指摘され、(地盤強化の改良工事に)巨額の税金がかかるし、難しいのではないか。関西空港の事例もあるし、総合的に判断をするべきだと思う。軟弱地盤など、状況が変わってきていることの議論はなかったのか」  再質問に対して防衛官僚は「省内では地盤の問題しかり、さまざまな論点について当然詰めて作業をしている」「まさにボーリング調査をやっており、(地盤の)強度などを調べているところです」と答えた。

玉城知事「国が行政不服審査を用いることは違法だ」

原口氏

元総務大臣の原口一博国対委員長(国民民主党)は、大臣時代に所管した行政不服審査法の「乱用」と批判した

 元総務大臣の原口一博・国民民主党国対委員長は、「(かつて総務大臣として)所管した立場で言えば、行政不服審査法の乱用だ。私人救済の目的の法律を政府が私人のふりをして乱用しているのは明らか」「防衛省や国交省は(法律を所管する)総務省に相談したのか」と問い質した。  玉城知事もこう批判した。 「国が行政不服審査を用いることは、制度の趣旨をねじ曲げたもので違法。法治国家であるまじき行為と断じざるをえない」 「平成27年の前回の承認取り消しの際にも、沖縄防衛局は国の一行政機関であるにも関わらず、自らを国民と同じ『私人』であると主張し、審査請求と執行停止を申し立てた。そして国土交通大臣は約2週間で執行停止の決定を行った。仮に執行停止決定がなされれば、内閣内部の自作自演の極めて不当な決定と言わざるをえない」
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