スレた女、素朴な女、高嶺の花……愛人たちは金持ち男の好みを敏感にキャッチする<現役愛人が説く経済学54>

スレていない女性が好きなお金持ちは3割

 私の友人女性(23)は、初めて勤務したクラブで会社経営の40代に猛烈なアピールを受けました。彼女は黒髪で、ブランド物は一切身につけず、昼の仕事はOL。金銭感覚は平均的な女性のそれに近いと思われます。  一方の男性は若くして起業したお金持ちで、一晩で彼女に100万円使うこともあったそうです。その後2人は「愛人」としてお付き合いすることになりましたが、彼は、「彼女のスレていないところが良い」と繰り返しておられました。高級クラブに来るお客様のうち、3割くらいはこの手のタイプです。スレていない、素人風の女性が大好物なのです。  他にも、ギャル系でノリの良いホステスが好きなお客様、しっとりした美女が好きなお客様、とにかく若くてバカな女が良いというお客様など、富裕層の好みは実にさまざまでした。だからこそ各店舗は「清楚系」「ギャル系」「お色気系」「素人系」など、色々なタイプのホステスを集めておくのですね。  各ホステスは自分がどのタイプか分析し、自分を好きそうなお客さんにつけてもらおうとします。その方が営業もラクだからです。  愛人ビジネスも同じで、自分がどの層に受けが良いか研究してからでないと成功できません。私はクラブで勤務したことで、自分がどのタイプのお金持ちに好かれるのか学びました。逆に、どのタイプのお金持ちからは嫌われるのか、好かれないのかも分かりました。 「君はタイプじゃない」「指名はしないよ」とハッキリ言われるなど、嫌な思いも沢山しましたが、この経験がなければ愛人バンクに登録してからの「打率」はかなり悪かったでしょう。  一般企業の営業でも、自社の商品を絶対に買ってくれないであろう顧客に執拗なアプローチをするのは逆効果です。ストレスもたまりますし、たとえ一発逆転しても大口顧客になってくれるかは分かりません。であれば、「自分と相性の良い顧客を太く育てる」方がよっぽど効率的ではないでしょうか。 <文・東條才子>
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