故・翁長雄志前沖縄県知事の県民葬で菅官房長官に投げつけられた罵倒が意味するもの

いまだ沖縄に真摯に向き合わない安倍政権

 しかし、あれほどまでの惨敗の後も、安倍政権は玉城新知事と対談こそすれど安倍総理は原稿を読むだけに終始し、真摯に向かい合うことを避け続けている。  そしてその意思表示であるかのように、翁長雄志前知事の県民葬に菅義偉を総理の名代として送りこんだ。官邸とてバカではない。知事選の敗因が「菅義偉という人物」「菅義偉の選挙の下手さ」にあることは知悉(ちしつ)しているだろう。にもかかわらず菅を送るとはこれ以上ないほどの、沖縄に対するイヤガラセだと言うほかはない。  県民葬で菅義偉に叩きつけられた「嘘つき!」「帰れ!」「卑怯者!」という言葉の一つ一つは、沖縄の人の嘘偽らざる心の声だろう。  その心の声を、もうこれ以上、無視するわけにはいかないはずだ。 【菅野完】 1974年、奈良県生まれ。サラリーマンのかたわら、執筆活動を開始。2015年に退職し、「ハーバービジネスオンライン」にて日本会議の淵源を探る「草の根保守の蠢動」を連載。同連載をまとめた『日本会議の研究』(扶桑社新書)が第1回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞読者賞を受賞。最近、どこよりも早く森友問題の情報を提供するメルマガが話題(https://sugano.shop/) ― なんでこんなにアホなのか ―
すがのたもつ●本サイトの連載、「草の根保守の蠢動」をまとめた新書『日本会議の研究』(扶桑社新書)は第一回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞読者賞に選ばれるなど世間を揺るがせた。メルマガ「菅野完リポート」や月刊誌「ゲゼルシャフト」(sugano.shop)も注目されている
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