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政党は、同じ考えや政策をもつ人々の任意の集まりです。参加するのも、辞めるのも、新たな政党を結成するのも、個人の自由です。議員や政治家でなくても、誰でも結成し、所属できます。
一方で、政党は、公共の領域に影響力を行使することを目的に結成されています。そのため、影響力の大きさに関係なく、社会への関与を試みる時点で、否応なしに公的な性格を帯びます。
特に、
政党が果たす重要な役割は、人々の意見をある程度のかたまりとして、総合的に集約する点にあります。
人々の考え方について、1から10までの幅があると例えてみましょう。奇数と偶数に分ければ、2つのグループに分かれます。数の大きさに着目し、1・2・3グループ、4・5・6・7グループ、8・9・10グループの3に分けてもいいでしょう。あるいは、2の倍数グループ、3の倍数グループ、5の倍数グループと分け、重複やあぶれる数字があってもいいでしょう。
このように、政党は、理念や利益という共通項(奇数・偶数、数の大小、倍数など)に基づき、人々の考えを集約しています。人々の考え方が、二つの考え方に収れんされれば、二大政党となります。ほとんど収れんできなければ、多党の乱立となります。
政党があることによって、議会や世論に対して、
政策の選択肢や意見の違いが、人々に理解されやすい数と形で示されます。社会の課題は無数にあり、それぞれの問題点、重要性、解決策の組み合わせも多数あります。そのため、政党がなければ、論点と選択肢が無数になってしまい、混乱してしまいます。
つまり、
政党は、無数にある社会の課題と人々の意見を整理し、解決策を議論しやすい状態で提示してくれます。その先は、国会での議論となり、最終的に一つの結論が出されます。人々の意見集約を登山に例えると、政党はふもと(多様な意見)から途中までを担当し、そこから頂上(結論)までを国会が担当するわけです。