玉城デニー沖縄県知事に「こんな人たち」はいない。初会見で佐喜眞陣営の主張も含む重要課題に取り組むと強調

相手候補が訴えていた「県民生活向上」も基地問題と並ぶ重要課題として取り上げる

当選証書授与の後、初めて知事の椅子に座った玉城知事

 会見後の質疑応答でも玉城知事は、県政の重要課題として基地問題だけではなく、県民生活向上についても並び合わせて語っていた。 「県政の最重要課題でどういったことに真っ先に取り組みたいのか、端的にお願いします」との質問に対して玉城知事は、こう答えたのだ。 「翁長知事が県政の最重要課題に位置づけていた辺野古新基地建設反対について私もしっかりと取り組んでまいりたいと思います。  また新時代沖縄の到来、誇りある豊かさ、沖縄らしい社会の構築の3つの視点から『県民の生活が第一』ということをモットーに、誇りある沖縄の実現に向けて、公約に掲げた諸施策を次々に推進して、全力で県政運営に当たりたいと思っております」  また「この選挙で、どういった民意が示されたと考えているのか」との問いにも、玉城知事は再びキャッチフレーズを口にしつつ「基地問題と経済の両立を目指す」と強調した。 「今回、私は翁長県政の継承を訴えて選挙戦に臨みました。この翁長前知事の強い思いを『引き継いでいく』と力強く皆様にも申し上げ、『辺野古新基地建設を断念し、経済も両立させていきたい』という願いが多くの県民の共感を呼び、私への得票に結びついたのではないかと思います。  私は『誰一人も取り残さない社会を実現する』ということを目指して、これから政策に取り組んでいくつもりです。また、今回相手(佐喜真淳)候補を支援していただいた31万もの方々の思いもしっかりと受け取りながら、一緒に21世紀沖縄の構築に向けて取り組んで行きたいと思っています」 「新時代沖縄」を掲げる玉城知事は、翁長前知事の遺志である辺野古新基地阻止を貫徹しながら、「県民所得の向上」を強く訴えた相手候補の思いも取り込みつつ、いじめや貧困で苦しむ子供や親が誰一人も取り残されない、沖縄らしい優しい共生社会を作ろうとしているのだ。今後の玉城デニー県政から目が離せない。 <取材・文・撮影/横田一> ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)に編集協力。その他『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
ジャーナリスト。8月7日に新刊『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』(扶桑社)を刊行。他に、小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)の編集協力、『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
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