銀座のクラブに学ぶ、営業ノルマを課さずに利益を増やす方法<現役愛人が説く経済学52>

ノルマがない方がのびのび働ける

 ある銀座のクラブでは、現場の営業マン(ホステス)に、ノルマを一切与えないそうです。そのかわり、頑張ってお客様を店に連れてくることができれば、その分「バック」で数千円、数万円と収入が増える仕組みです。社員は上司(ママ)からの叱責を恐れず、のびのび働くことができるので、結果的に売上が増えるのだそうです。  この方法を愛人ビジネスにも取り入れることで、私は余計なプレッシャーを感じず、のびのびと愛人営業ができるようになりました。実は私も、愛人ビジネスを始めた当初は「毎月いくら稼がなければ」という目標値を意識していたのです。その方が頑張れると思っていたからです。  しかし、そのために数多のおじさんに媚びを売っておりますと、いうならば「舐められやすくなる」のですね。焦っておりますと、「この子はお金(営業マンで言う契約)が欲しいんだな」ということが顧客に伝わりますから、顧客はお金をチラつかせて長時間のデートで拘束し、無理を言うようになって参ります。 「少ない額でも、ほしいのならば付き合えよ」というわけですね。少額の契約のために、何度も接待をさせられる営業マンに似ています。結果、こちらは「長時間つきあわされた割に実入りはこんなにも少ないのか」と、疲弊するのでございます。  精神的、身体的に赤字になるビジネスならば、やめたほうがまだマシです。というわけで、赤字になる相手とは一切、会わないことにいたしました。赤字のリスクを冒してまでノルマを達成できなくてもいい、と開き直り、その分、新規開拓件数を増やしたのです。  金額的なノルマを一切考えないようにしますと、新規男性とのデートにも余裕が出てまいります。「この子は契約を取りたいというギラギラ感がほとんどないなぁ」と思われるようになるのです。営業マンでいうならば、顧客に対峙しているときに目がお金のマークにならなくなるわけですね。  男女とも、銭ゲバのようなギラついた目をした人間より、一緒にいる時間を楽しめる相手にお金を払いたいと思うものです。よって、成約率は高まります。心理的ストレスも減りますから、本当に相性の良い成約先と出会うまで長期にわたり営業活動を続けることができるのです。  金銭的な欲求を表に出さないようにしておりますと、中には「この子はお金をあげなくても付き合ってくれるのでは」と勘違いするおじさんも出てきます。が、そういう男性に媚びを売る必要もまたありませんから、次へ行けばいいのです。とにかく「ノルマ達成」などという辛い目標はやめて、余裕を持って営業活動をすることです。そうすれば長期的なビジネス活動が可能になり、利益もじわじわと増大するのです。 <文・東條才子>
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