中部の中心になる
ダナンも見所は多い。新市街は海岸沿いにあり、南シナ海に面しているので
サーフィンが楽しめたり、海水浴もきれいな水で親しみやすい。海岸沿いには海の家が点在し、また
シーフード料理店もある。新鮮な海の幸を格安で楽しめる点もおすすめである。
ダナンの麺料理「ミークアン」もカオラウ同様日本のうどんが原型だという説がある。野菜をたっぷり入れたサラダ麺のようだった
ダナン新市街は
民泊も盛んだし、新しいホテルも増えているので
宿泊費が安い。一方、旧市街だと英語がまったく通じない宿もあるし、予約サイトで押さえることはできても、現地で観光情報を引き出せないので不便なこともある。その点、海岸近辺の宿は使いやすい。乃木坂46の撮影はホテルのプライベートビーチだったそうで、このように低予算からリッチな旅行まで楽しめるのがダナンの海の魅力と言えよう。
世界的にも人気の高いダナンのビーチは地元民の結婚記念写真の撮影地でもある
もちろん、不便とは言え旧市街も楽しめるところはある。例えば、ダナン市内を新市街と旧市街で分断するハン川には橋がいくつか架かっているが、そのひとつ「
ドラゴンブリッジ」は鋼鉄の龍のオブジェが飾られ、週末には火を噴くというショーがある。ショーは地味だが、全長約666メートルは鋼鉄製の橋としては
世界最長なのだとか。
ダナン最大の橋「ドラゴンブリッジ」の週末のショー。火と水を交互に吐くが、音楽など一切なく地味
その橋の袂には
「カーチェップホアロン」という怪獣の像が建つ。一見シンガポールのマーライオンだが、実際にダナン市はシンガポールのような存在になることを目指しているようで、まずはここから真似をしたのではないかと現地の日本人が言っていた。
ダナンのマーライオンは新市街から旧市街を見つめている
ダナンから車で約2時間ほど、およそ100キロほど北上すると、
フエという古都もある。ここはベトナム最後の王朝
「阮朝(ぐえんちょう)」があった場所で、1802年から1945年まで都が置かれていた。ベトナム初のユネスコ世界文化遺産として認定された王宮も見学できるし、市内にはフエにしかない地ビールの銘柄もあるなど、老若男女問わずに旅行を満喫できる。
阮朝の王宮は有料だが見学できる。チケットには別の場所の博物館の券も含まれるが、言わないともらえない
ダナンの空港に降り立てば、北はフエ、中にダナン、南はホイアンという3つの見所をコンパクトに周ることができる。旅費も安く、例えば食事はピンキリとはいえ、レストランでビールを注文すると大瓶でもせいぜい150円もしない。ホイアンに至っては生ビールがベトナム最安値と言われ、たった15円で楽しめる。むしろノンアルコールドリンクの方が高いくらいだ。
今、ベトナム旅行を検討しているならば、断然ダナンやホイアンを目指すべきである。
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ダナンの国鉄駅近くでみつけた子牛の丸焼き店。まったく英語が通じず、注文が大変だった
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ダナンで見かけた、いろいろとアウト過ぎるどら焼きの店。しかも筆者の口には合わなかった
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古都フエの名物麺料理の「ブンボーフエ」。米粉を発酵させた麺に牛肉を入れたもの
<取材・文・撮影/高田胤臣(Twitter ID:
@NatureNENEAM)>
たかだたねおみ●タイ在住のライター。近著『
バンコクアソビ』(イースト・プレス)