3つの問題が日程消化について全く噛み合っていないこの問題、一見難しい問題のように見えるが、解決策はじつは簡単だ。どれかのルールを変えればよいのだ。
たとえば『①CSによって日程消化に厳しさが生まれている』を変える……つまりそもそもCSをやらなければ、ダブルヘッダーの件も日程消化の義務がないことも変える必要はない。個人的には興行としてうまくいっているCSをやめるのはありえないと思うし、ましてやも今年については今からCS廃止するのも現実的ではない。少なくとも検討するなら来年以降の話だろう。
『②ダブルヘッダーは20分しかインターバルを設けられない』を変えれば、2試合の対戦相手が変わることに対応は可能だ。CS制度を優先させるのであれば、日程消化の助けとなる開催のやり方を邪魔しているほうの制度をやめてしまえばいいのだ。これはアグリーメントなので、今から変更しても構わないはずである。
そして『③CS出場権確定期限までに日程消化をする義務は球団にはない』を変えればCS維持派にとっては完璧だろう。CSまでに日程消化できない球団はCS出場権を剥奪する、とでもしておけば良い。急いでドーム球場を借りるなり、ダブルヘッダーを真剣に検討するなり(噛み合わないルールの見直しにも真剣になるだろう)と、球団対応も本気度が変わるだろう。
そもそも、試合消化せずに勝ち逃げをすることが可能な状況はさすがに問題なのだから、これはCSをやるのであれば今後検討すべきルールであるとすら思う。
CS制度については下剋上が起こるたびや、昨年の「泥の甲子園」のような事態が起こるたびに存続への賛否が議論される。CSの賛否と、今回の日程消化の問題は、今回に関しては別のことだ。元近鉄ファンとしては10.19のような理不尽な事態が起こらないよう、祈るばかりである。
【シグナルRight(佐藤永記)】
元近鉄ファンで観戦費用を当時ギャンブルで稼いでいた。現在はTwitterやニコ生『公営競技大学』にて公営競技について解説をしている。
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公営競技ライター・生主。シグナルRightの名前で公営競技の解説配信活動「
公営競技大学」を個人運営している。また、日刊SPA!のギャンブルコーナー勝SPA!編集担当も。Twitter:
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