今回は辺野古出身の女のコにも出会うことができました。その女のコ「辺野古に住んでいる人としては、辺野古基地には賛成ですか? 反対ですか?」と聞いてみると、答えは「大賛成」でした。
どうして賛成なのかを聞いてみると、「基地ができたら経済が潤うし、軍用地を持っている人たちは何もしないで遊んで暮らしていけるから」だと言うのです。
しかし、辺野古基地は海を埋め立てて作られるため、
「軍用地」という概念が存在しません。漁業権はとっくに放棄され、「軍用地の権利で遊んで暮らしていける」という人が存在しないのです。その女のコに「あなたの家は軍用地を持っているのですか?」と聞いてみたら、「私たちは持っていないけど、
みんながそう言っている」と言うのです。
実際には基地に近く、酷い騒音に悩まされ、墜落リスクが高まることもあって、辺野古で暮らしている人たちの土地の価値は下がり、ただでも田舎で買ってくれる人がいないのに、ますます買い手がつかない二束三文の土地に成り下がるだけだと思いますが、「難しいことはよくわからない」なのです。
「もしかして騙されてる?」と聞かれましたが、完全に騙されています。ただ、辺野古で暮らしている若者たちは、「賛成している人しかいない」そうで、最後には「本当は私だって基地には賛成じゃないんだよ。だけど、経済の方が大切じゃん!」と言われたのですが、その経済にマイナスの効果しかないのに、米軍が来たら街が潤うと思っているのです。
確かに、基地の中でトイレ掃除するアルバイトのおばちゃんの時給が少しだけ高いかもしれませんが、そんな目先の小さなお金のために、地域経済全体としてはマイナスになるようなことをしているなんて、この人たちは本当に大丈夫なのかと思うけれど、僕は青森県六ヶ所村を思い出し、日本の田舎は隅々までやられていることを思い出しました。
学歴だけが問題だとは思いませんが、ただ、大卒のキャバ嬢は「大学で沖縄の歴史や平和について学ぶ機会があった」と言い、基地がどれだけバカバカしいものなのかを知っていました。
つまり、しっかりと物の分別がつく年齢になってから沖縄の歴史や平和について学ぶ機会があったために、沖縄の置かれている現状をよく理解し、今回の沖縄県知事選を極めて客観的に見ることができたのです。これは学歴ではなく、タイミングの問題です。物の分別がつく年齢になってから基地問題や平和学習をしたかどうかなんです。
一方、その唯一のキャバ嬢以外のコは、ほとんどが「小学校の時にチビチリガマに連れて行かれた」と話していて、その時にどう思ったのかを聞いてみると「平和学習だと言われてガマを掃除させられたんだよ」と言い、平和について考えるどころではなかったというのです。これこそ「大人の押しつけだ」と感じていて、戦争を体験したこともないのにどれだけ教えられても分かるはずがないのに、それでも教えてこようとしているのは思想を押しつけていると感じていたのです。
勉強しない子に向かって何度も「勉強しろ」と言い続けているようなもので、物の分別がつく大人になって学ぶ機会がなくなっているばっかりに、若者たちは戦争さえ肯定するようになってきているのです。
そしてこれは
沖縄だけの問題ではないと思っています。