モリカケ事件でずさんな会計検査が発覚した日本は、コスタリカの会計検査院に学べ

スマホひとつで自宅前の道路改修予算と執行状況までが丸裸!

会計検査院のウェブサイト

会計検査院のウェブサイトより、会計検査官が示したアテナス市コロンビア通りの改修工事に関する予算執行状況。右上の棒グラフによって視覚的に状況がわかる

 会計検査と民主主義の関係性を尋ねた筆者に、マリエラ・アソフェイラ会計検査官は、会計検査院の情報公開システムを教えてくれた。  同院のウェブサイトでは、国・地方を問わず、すべての公的機関の予算、支出、残額に関して、細目にわたって棒グラフで視覚的に分かるように表示されている。  説明の途中、筆者のツアーに同行している現地ガイドのディエゴが「私の家の近くの情報を出してみてください」と要望した。 「では、アラフエラ州アテナス市のコロンビア通りを見てみましょう」とマリエラが検索する。ディエゴの家の前を通る、穴だらけで改修が必要とされていた道だ。  マリエラはわずか3クリックほどでお目当ての通りを探し出し、縦に3本並んだ棒グラフについて説明を始めた。
アテナス市コロンビア通り

アテナス市コロンビア通りの現在。穴だらけだった道が綺麗に舗装されているのがわかる

「左から、予算額、執行額、未消化(残)額です。これを見ると、予算は執行され、事業はほぼ終了していることが視覚的に分かります」  しかも、まったく同じ情報が、同院が開発したスマホアプリにも掲載され、検索できるようになっている。 「それを使えば、スマホひとつで自治体や国に適正な予算執行を迫ることができます。私たち会計検査官も、要望があれば、告発を受けて調べ、行政に対する要望の場にも立ち会います。たとえば……」  マリエラはそう言いながら別の場所をクリックして、こう続けた。 「アテナス市内の公園整備に関しては、予算がついているのにまだ執行されていないことがわかります。公園の整備が進んでいないと市民が思ったら、このデータを探して市役所に持っていき、予算の執行、つまり事業の促進を要求できるわけです」
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会計検査院には「独立した権限」が必要だ
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