身近なモノがシャワーやトイレに。災害時に役立つアイテムとは

 洪水、台風、地震と日本各地で大きな災害が頻発した今夏。被災者が「長くここで暮らしているけれど、こんなことは初めて」「まさか自分たちがこんな目に遭うとは……」と語る姿からは、想定外の事態の深刻さが伝わった。大きな災害は日本中どこでも起こり、誰もが被災者になる可能性の高さを示唆している。そんな非常時に役立つ、身近なアイテムの活用法をアウトドアライターのPONCHO氏が教えてくれた。

照明やトイレ代わりにも使えるゴミ袋

ペットボトルも、ちょっとした工夫でシャワー代わりに。非常時には身近にあるものが、思わぬ効力を発揮する

 命を落としたり、怪我をしたりということではなく、停電や断水によって日常生活が滞るという意味での被災ということであれば、巻き込まれる可能性はさらに高いといえるでしょう。  そこで今回は避難所生活や自宅、会社での災害時に用意しておけば、苦労やストレスが軽く済むだろう小ワザや知恵をまとめてみました。これらはアウトドアやサバイバルのノウハウでもあり、数多くの災害の経験から広まった方法です。主に使うものはレジ袋やごみ袋、新聞紙、ペットボトル、ラップ。これらを代用して、急場をしのぎます。  記憶に新しいところでは、北海道のブラックアウト、関西地方での停電の際にSNSやテレビでもこういった小ワザが拡散されました。懐中電灯を立てた上に、水の入ったペッドボトルを置いて光を拡散、照明として使うという方法で、目にした方も多いはずです。小さな懐中電灯で立てにくい場合は、コップなどに懐中電灯を入れて、その上にペットボトルを置けば照明になります。  しかし、もっと簡単に作れるのが、レジ袋をふくらませて懐中電灯やヘッドライトに被せる照明です。この方法ではレジ袋の持ち手にヒモやベルトを通して吊り下げて使えるので、光をより広い範囲に拡散することができます。吊り下げるものがなければ、カメラの三脚を使ったり、ビニール傘の柄を高いところに引っ掛けて、先端にこの照明を結んでもよいでしょう。  また、断水時、そして避難生活でもっとも困るのはトイレです。流す水がないとトイレは汚物でいっぱいになってしまいます。仮に携帯トイレを用意していたとしても、断水が長引けば、使い果たしてしまいます。  そこで建物が壊れていない状況であれば、洋式トイレに45ℓ程度の大きさのゴミ袋と新聞紙をつけて簡易トイレを作ってみましょう。まずは便座を上げて、便器の内側を覆うようにゴミ袋を被せます。次に便座を下ろし、便器の内側にもう一枚のゴミ袋を入れ、便座を包むように折り返します。最後に丸めた新聞紙を底に詰め、その上に短冊状に切った新聞紙を敷き詰めれば完成。  用を足したら、便座にかけたゴミ袋を回収、衛生的に保管します。また便座に新しいゴミ袋をかけて使用します。
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ペットボトルやラップも非常時には大活躍
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