タイで人気爆発の48グループ「BNK48」がもたらした、タイ人青年の意識変化

興味がなかった記者も一気ににわかヲタに

 2018年5月に東京の代々木公園で開催された「タイ・フェスティバル」におけるメインステージでBNK48がゲスト出演した際、モバイルさんも参加していたので、コアなAKBファンなら顔を憶えている人もいるだろう。  翌月6月の世界総選挙では39位にキャプテンのチャープランさん(本名・チャープラン・アーリーグン)、72位にミュージックさん(本名・プレーワー・スッタムポング)がランクインしており、この両名のタイ国内での人気は最早不動のものだという。また、タイ人女性は世界的にもかわいらしい、あるいは美人であると評価が高いので、筆者は正直、BNK48はそこそこにかわいい女のコを集めた集団であろうとしか思っていなかった。つまり、モバイルさんの取材に大した期待を持っていなかったのだ。  ところが、取材時に現れたモバイルさんは、とにかくかわいかった。2002年7月生まれなので、まだ16歳になったばかり。身長159cmと高くないものの、光り輝くものがあった。モバイルさんはデビュー2曲目、タイでも大ヒットした「Koisuru Fortune Cookie(恋するフォーチューンクッキー)」でセンターを務めていて、タイ国内でも屈指の人気メンバーである。かわいらしいのは当然と言えよう。
モバイルさんその3

日本メディア向けの記者会見に私服で登場するあたりにタイっぽい愛らしさがある。(Photo : yoko sakamoto)

 会見中、ときどき別のメンバーが会見場を通るのだが、このコたちもまたかわいいったらない。BNKメンバーの実物を見るまでは筆者としては人気の意味が理解できなかったのに、一気ににわかヲタと化してしまった。

当初はヒットするか疑問視されていたが……

 デビュー間もない頃は不安視する声もあった。  ファーストシングル「Aitakatta(会いたかった)」では知人のタイ人に「曲のタイ語が聞き取りづらい」と言われたこともあったほどだ。  というのも、タイ語は声調が5つあるため、どんなに急いでいてもその声調で発音しないとまったく違う意味になる。そのため、絶対音感がある人がタイ語のポップソングを聴くと違和感があると聞いたことがある。確かに聴いてみると「フォーチューンクッキー」もそうだが、日本の楽曲にタイ語を合わせているため、歌詞の意味ではなくて、タイ語の語調に違和感があるように感じてしまうのだ。  ところが、その「フォーチューンクッキー」の爆発的なヒットで今やタイにおいても国民アイドルになったことで、若い人のほとんどがBNK48に注目するに至っている。筆者の小学6年生の娘も夢中になっており、彼女たちのタイ語の発音について訊いてみた。  すると、「まったく普通で、聞き取りにくいなんてことはない」と一蹴されてしまった。知人タイ人も中年男性。筆者も41歳。つまり、単に若いカルチャーについていけていなかっただけのようだ……。
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BNKはタイの若年男子の意識を変えた!?
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