元原発技術者が「放射性トリチウム汚染水を薄めて海洋放出する」方針を批判

薄めて海洋投棄するよりも良い方法があるのに……

 後藤氏はもともと海底石油開発などの特殊船舶・海洋構造物の設計技師で、石油備蓄タンクの実例をもとに検討した。 「足りなければ、7号機8号機建設予定地もある。洋上タンク方式をとれば133万トンの容量は大した量ではない。確かに予算的には海洋放出が34億円と最も安価ですが、他の地下埋設2500億円といった経産省案と比べると、大型タンク案は330億円と妥当な額です。これを無視して海洋放出するなどあり得ない」(後藤氏)  漁業関係者が海洋放出に反対、漁業に対する風評被害が広がることは避けられない。そんな状況で「薄めさえすれば流せる」と、これ以上のトリチウム汚染水を海洋放出させてよいものだろうか? <文・写真/中山貴久子>
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