米専門家「文大統領の南北鉄道・道路発言はアメリカを怒らせるだろう」
今年中に南北の鉄道と道路の連結工事に着工するのが目標とした文在寅大統領の発言がアメリカ政府を怒らせるだろうと米専門家たちが指摘している。
アメリカの声(VOA)放送は16日(現地時間)、北朝鮮の非核化や人権状況に明らかな変化が見えないのに経済協力を強調するのは韓・米同盟に間違ったメッセージを送ることになると報道している。
文大統領は15日、光復節の祝辞で「板門店宣言で合意した鉄道・道路連結は今年中に着工式をするのが目標」とし、これは朝鮮半島共同繁栄の始まりだと明かした。
これに対してブレドリー・ベプソン前世界銀行顧問はVOAのインタビューで「文大統領の発言は対北制裁の維持強化を主張するジョン・ボルトン国家安全補佐官のような米政府の高官たちを怒らせるだろう」と発言した。
文大統領の発言は南北首脳会談合意を反映させたものだが、今年中に着工式をするのが目標と時期を明らかにしたのが問題との事だ。
ベプソン前顧問は「特に一部の米高官の場合これを南北合意が米韓同盟公約よりももっと重要だとする公開圧力として受け取るかもしれない」とし「米韓同盟を強調してきた官僚たちの負担になる」と指摘した。また彼は「アメリカに平和雰囲気を維持しようという考えが南北よりもないというのがジレンマだ」と皮肉った。
ワシントンにあるジョージワシントン大学で韓国・中国・日本経済の講義をするウィリアム・ブラウン客員教授も「文大統領の発言がトランプ政権を怒らせただろう」「追加制裁解除を前提にした発言だとしても時期尚早だ」と言っている。
ブラウン教授は「金正恩政権が非核化に前向きな歩みを見せたわけでもなく内部的に社会主義体制や人権問題を改善したわけでもないのに、文大統領がこのような事を言うのは米高官たちに『今なぜその話をするのだ』と反問されるだろう」と指摘した。
続けて「北朝鮮が非核化に向かう前まではアメリカ政府は大規模な北朝鮮への経済支援を明らかに反対するだろう」とし、「望み通り制裁が解除されなければ逆に文大統領が北朝鮮から政治的逆風を受けるだろう」と予想している。
ブラウン教授は「鉄道・道路の連結のような大規模な事業が韓国主導で北朝鮮で行われるのは北朝鮮政府も願わないだろう」とし、「北朝鮮は資金、装備、技術、資源だけ支援を受け自分たちの力で社会基盤施設を構築したいと思っていて、大規模プロジェクトに韓国の影響力が北朝鮮に及ぶのを願わないだろう」と説明した。
米ランド研究所のデリック・グラスマン研究員も15日SNSを通じて「文大統領の光復節祝辞は彼が非核化と南北関係正常化のどちらを優先したいのかがわかる」と指摘した。
だが専門家たちは「今年中に韓国政府が鉄道・道路連結着工式を行えるかは未知数」とし「第三次南北首脳会談を通じて南北首脳がどれだけ非核化を進められるかが経済協力の動力になるだろう」と展望している。
<文・安達 夕
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